クラウドID管理のOkta、99.99%の稼働率保証を発表

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2020-07-06 10:55

 クラウドベースのアイデンティティー管理を手がけるOktaは米国時間7月2日、すべての顧客に対して追加費用なしで99.99%の稼働率を公式に保証すると発表した。クラウドの高い信頼性はすべての顧客にメリットをもたらすとともに、エンタープライズ事業の成長に向けた同社の取り組みにも有益となるはずだ。

 Oktaの最高執行責任者(COO)Frederic Kerrest氏は米ZDNetに「これは、大手企業が自社のインフラをクラウドに移行していくなかで求めるようになるものだ」と述べた。これは特に、Eコマースなどでの顧客のアイデンティティー管理にとって重要となるはずだ。同氏の言葉を借りると、「システム停止はたった1分であっても数百万ドル」の損失をもたらす可能性がある。

 同社の2021会計年度第1四半期決算(4月30日締め)では、大手企業への注力がいかに功を奏したかが示されている。売上高と利益が予想を上回るとともに、同四半期には年間契約金額が10万ドル(約1080万円)を超える契約の顧客を新たに113社獲得したという。同社は現在、契約額が10万ドルを超える顧客を1600社近く抱えている。

 またOktaは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック中に、顧客のクラウド移行が加速したとしている。販売におけるデジタルインフラの活用が進むなか、こうした動きによって高信頼性がさらに重要となるはずだ。

 Kerrest氏は「創業100年にもなる企業が急きょ、Eコマースの売上高を3倍にしなければならないとなった場合(中略)それは大変な取り組みになるだろう」と述べた上で、「われわれは少なくともアイデンティティーという部分について力になろうとしている」と続けた。

 Kerrest氏は、レジリエンシーを備えたアーキテクチャースタックをまっさらな状態から構築することで、新たな信頼性を約束できるようになったと述べた。同氏は、Oktaがリージョン内、およびリージョン間の双方でシステムに冗長性を組み入れており、監視機器を各所に設置していると述べた。

 Kerrest氏は、「99.99%の稼働率を達成するには、さまざまな障害を考慮する必要がある。それらには、ソフトウェアやハードウェア、ネットワークにまつわる課題のほか、(中略)Amazon Web Services(AWS)のデータセンターにつながっている幹線系光ファイバーケーブルを誰かが大型機械で誤って破損させたりといったことまで考えられる」と述べ、「こういった事態が発生した場合に備えて、(中略)障害による影響を自動的に平滑化できるような調整能力を有した設備を用意しておくことが必須となる」と続けた。

 Oktaのシステムは、アップグレード時の停止時間をゼロにするようにも設計されているため、高信頼性サービスの確実な提供は当然の流れだったと言える。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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