シトリックス・システムズ・ジャパンは、グローバルに展開している「Citrix Cloud」とは別に、日本国内に設置された固有の環境において情報セキュリティと可用性を維持しながら運用が可能な「Citrix Cloud Japan」を立ち上げた。利用価格は、既存のCitrix Cloudと同じ価格となり、購入に当たってはパートナー経由で販売される。
同サービスは2021年から本格稼動する政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)への認定水準の準拠を見据えたもので、最初のサービスとして「Citrix Virtual Apps Service」および「Citrix Virtual Apps and Desktops Service」の提供を開始している。
両サービスは、仮想デスクトップ/仮想アプリケーションソリューションを提供するSaaS型のサービス。従来、ユーザーが個別に構築する必要があった管理サーバー機能をCitrix Cloud Japanからサービスとして提供し、柔軟なデスクトップ基盤選択ができる。同時に構築期間を短縮し、常に機能が最新化され、セキュリティ対策が行われることによる安全性の向上と運用工数の削減が可能となる。また障害ログ・監視データ以外のデータが海外に出ていくことはなく、国外の問題によるサービスの影響を受けにくい。
政府機関や官公庁におけるクラウドサービスの選定の際は、今後ISMAPにて安全性が評価されたクラウドサービスのリストが活用されるようになる。また今後は、政府機関以外の業種への活用も期待されている。
既に立ち上げているVDI関連のサービス以外では、今後、Citrix Virtual Apps and Desktopsユーザー向けのHDX接続を提供するGatewayサービスと、利用者向けの画面を提供するWorkspaceサービスを2021年に提供する予定だ。同サービスの追加により、Citrix Gatewayによる高度な認証機能が不要な場合には、仮想アプリケーションやデスクトップへのセキュアな接続を可能とする環境を容易に構築できるようになる。また、グローバルで提供中のCitrix Cloudで提供されているワークスペース環境管理などのサービスについても順次追加していく。