転職を考えているのであれば、今こそよいコーディング講座を探し始めるべきかもしれない。今も多くの業界がコロナ禍の影響を色濃く受けているが、ある分野では盛んに採用活動が行われている。それは人工知能(AI)やデータサイエンスの分野だ。AI人材に対する需要は増える一方であり、このトレンドが衰える様子はない。
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調査会社Ipsos MORIが英国のAI関連求人市場の現状に関して実施した調査によれば、英国では2020年1~12月の1年間でAIおよびデータサイエンス関連の求人が約11万500人件出ていたという。これは2014年に発生した求人件数の2倍以上にあたる。2020年はAIとデータサイエンス関連のオンラインにおける求人数としては過去最高で、この件数は2019年と比較しても16%多い数字だった。
AIおよびデータサイエンス関連の求人は、データアナリストやソフトウェア開発者から、研究開発職、大学の講師や教授職まで多岐に渡り、この3年間は、毎月8000件~1万件の求人情報がオンライン上で広告されている。レポートによれば、その中でも特に需要が高いのが教育産業と金融業だという。
要するに、応募者にとってはたくさんの選択肢があるということだ。しかも求人件数はさらに増えると見られている。Ipsosの調査によれば、調査対象企業の3分の2は、今後12カ月の間に自社のAI人材に対する需要が高まると予想していた。
待遇もいい。求人情報に掲載されているAIおよびデータサイエンス関連職種の年間平均給与は5万4800ポンド(約850万円)で、IT関連職全般の平均給与よりも22%高い。
しかし、求人内容が魅力的であるように見えるにも関わらず、企業は採用枠を満たすのに苦労している。これは、AI分野の人材プールが企業の需要を満たせる規模ではないためだ。企業の69%は、過去2年間に欠員を埋めるのに困難を経験したことが1回以上あると述べている。
この問題の大部分は、最終的に応募者が十分なスキルを備えていないということに帰結する。3分の2以上の企業が、適切な技術的スキルと知識を持つ応募者を見つけるのに苦労していると回答しており、無視できない数の企業(40%)が、応募者に実務経験や業界の知識が不足していると答えていた。
では、AI・データサイエンス関連職に応募する就職希望者が未来の雇用主を満足させるには、履歴書にどんな項目を載せる必要があるのだろうか。もちろん、技術的なスキルは重要だ。調査対象の企業は、AIの概念とアルゴリズムを理解し、プログラミングのスキルやプログラミング言語を知っており、ソフトウェアエンジニアリングやシステムエンジニアリングに詳しい人材を求めており、これらのスキルギャップが大きいと考えているようだ。
Ipsosによれば、多くの企業は、専門職の深層学習に関する知識と、「低レベルなAI」の先に進む方法を知っていることの重要性を強調している。
ある零細企業のオーナーは、調査に対して「私たちは、米国の大手企業が提供する既存のシステムに頼るのではなく、ディープラーニングのシステムやニューラルネットワークのシステムを作るための最初の基礎を大学で学んだ人材を必要としている」と述べている。