調査

IT部門のジョブ型組織化に課題あり--ガートナー提言

NO BUDGET

2021-03-23 13:51

 ガートナー ジャパンは3月22日、「新時代のIT/デジタル人材戦略に関する展望」を発表した。これによると従業員エンゲージメントを強化することは、従業員の働く意欲や意識を向上させ、結果的にパフォーマンスも上がる可能性が高いことが調査からも明らかになっているという。

適切な従業員エンゲージメントが従業員の意識とパフォーマンスに与える影響
適切な従業員エンゲージメントが従業員の意識とパフォーマンスに与える影響

 新型コロナウイルス感染症対策として多くの企業でリモートワークの導入が進んだ結果、各社員の業務を明確化し管理を容易にしたいという欲求から、ジョブ型組織に対する関心が飛躍的に高まっている。ガートナーでは、ジョブ型組織を導入した日本企業のIT部門のうち、2025年までに効果を獲得する組織は10%にとどまるとしている。

 IT部門においてジョブ型組織が機能するためには、「役割が明確に定義できること」「役割が固定的で変化が少ないこと」「業務の進展と成果を可視化し共有できること」など、さまざまな条件を満たす必要があり、これらの条件を満たさなければ、ジョブ型組織のメリットを享受することは難しいという。

 また2023年までに、日本企業の50%がIT/デジタル技術者の獲得を意識した従業員価値提案(EVP)を作成するという。これにより、CIO(最高情報責任者)は採用市場で優位に立てるようになるだけでなく、IT部門に所属する既存の従業員の管理にも良い効果をもたらすことが期待できるという。例えば、従業員が重視する項目と満足度を定期的に計測することによって、IT部門の強みと潜在的な課題を見つけられるようになる。

 さらに、2025年までに日本の上場企業の50%が「デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション」による「従業員幸福度の向上」を、ESG(環境、社会、ガバナンス)の開示情報に含めるようになるという。ESGは「非財務情報」として投資家からも注目される情報で、「人材」は社会貢献の観点でESGの重要な要素になり、労働生産性と同等以上に「従業員幸福度(またはウェルビーイング)」への企業の対応姿勢が注視されるようになると指摘する。

 ガートナーは、「従業員幸福度の改善にIT/デジタル技術をもって貢献する」という新たな課題がCIOに突き付けられており、CIOには、労働生産性と従業員幸福度の向上への貢献が求められているとした。

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