Ciscoは米国時間9月15日、今後4年間に同社の事業を推進する戦略的な柱について説明し、2025年までに売上高と利益の年平均成長率(CAGR)が5~7%になる見通しであることを明らかにした。
提供:Cisco
同社は2021年インベスターデイで、既存市場と拡大する市場を合わせると、実現可能な最大の市場規模(TAM:Total Addressable Market)は4000億ドル(約44兆円)に達し、隣接市場のTAMはさらに5000億ドル(約55兆円)となる可能性があると述べた。
Ciscoの最高戦略責任者でアプリケーション担当ゼネラルマネジャーのLiz Centoni氏は、「当社にとって、ビジネスの機会に制約がないのは明らかだ。既存の各市場に重要な機会があるほか、それぞれの市場でさらに進出できる余地が十分にある。また、拡大市場の規模は大きく、より高いCAGRに結びついた重要な機会とともに成長している」と語った。
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最高経営責任者(CEO)のChuck Robbins氏によると、今後の事業は6つの技術分野に基づいたものとなる。すなわち、安全かつアジャイルなネットワーク、ハイブリッドワーク、エンドツーエンドのセキュリティ、未来のインターネット、最適化されたアプリケーション体験、エッジでの機能だ。
「数年単位の投資サイクルで顧客を主導しているのは、これらの技術分野だと考えている」とRobbins氏は述べた。
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ビジネスモデルに関しては、Ciscoはサブスクリプションによるソフトウェアの売上高を伸ばすための取り組みを続けている。Robbins氏が同社の指揮を執り始めた2015年には、サブスクリプションの売上高が34億ドルだった。2021会計年度には、約120億ドル(約1兆3000億円)近くに達している。現在同社のソフトウェアの80%はサブスクリプションモデルで販売されている。
最高財務責任者(CFO)のScott Herren氏によると、2021会計年度のソフトウェアの売上高は150億ドル(約1兆6000億円)で、同社は世界で最大規模のソフトウェア企業10社のうちの1社となっている。「当社は何年もかけて、(サブスクリプションモデルへの)移行を進めてきたが、これは非常に過小評価されている点だ」(同氏)
Robbins氏は、Ciscoの将来の展望が複雑であることを認めている。
「当社が開発して提供する技術は、広範なポートフォリオであり、複雑だ」としながらも、次のように話した。「私が記憶している限り、恐らく当社は戦略に則した最も正確な実行力を備えている」
Robbins氏は、近年の進化を示す例として、同社がウェブスケール企業とのビジネスを拡大するとともに、クラウドに注力していることを強調した。
「4〜5年前まで、クラウドはCiscoにとってネガティブな逆風だと見られていた」とRobbins氏は言う。「5年前には、当社の存在を脅かすと考えられていたクラウドだが、今や当社のビジネス全体だけでなく、サブスクリプション分野に貢献して、当社の変革を後押ししている」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。