海外コメンタリー

次なるテックイノベーションハブとしてのチェコ--サイバーセキュリティ分野でも有力

Bojan Stojkovski (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2021-12-13 06:30

 チェコ共和国では毎年、同国の大学で情報通信技術(ICT)を学んだおよそ4000人の卒業生がテクノロジー/IT業界に参入している。ある推定によると、同国のIT分野では30万人を超える従業員が働いており、人材に対する需要は日増しに大きくなっているという。

チェコ
チェコ共和国では毎年、同国の大学で情報通信技術(ICT)を学んだおよそ4000人の卒業生がテクノロジー業界に参入しているという。
提供:Getty/Joe Daniel Price氏

 新興企業や、定評あるテクノロジー企業、グローバル企業がプラハにオフィスを構えたり、支店を開設しており、この地はチェコ共和国におけるテクノロジー関連のワークフォースにとって人気の場所となっている。

 ソフトウェア開発者らは、学びや、興味深いプロジェクトに従事する機会に魅力を感じるとともに、プラハでの生活の質が動機になっていると語っている。

 サービスクオリティマネジメント基盤(SQM)の開発者である37歳のMartin Bohm氏は、隣国であるスロバキア共和国からプラハに移ってきて10年になるという。同氏にとって、チェコ共和国の首都で働くというのは、自らのキャリアの中で最も大きな出来事だ。

 Bohm氏は米ZDNetに対して、「プラハでの機会は極めて大きい。スキルを有したITワーカーに対する需要は高く、そのことは多くの求人ポータルサイトを見ても分かる。この地は文化的な、そして歴史的なスピリットにあふれており、欧州連合(EU)に属する西欧諸国との違いは明らかだが、それは良い意味でだ」と述べた。

 「IT業界における収入は平均よりもずっと高いため、収入に占める支出の割合は極めてバランスが取れている」(Bohm氏)

 複数のテクノロジー企業がこうした人材の豊かさに目を向けており、その中には米国のサイバーセキュリティ企業SentinelOneも含まれている。

 SentinelOneは10月、プラハに新たなオフィスとイノベーションセンターを開設した。同社はプラハで300人を採用し、製品開発機能をこの地に作り出すことで、南北アメリカ地域やアジア地域、欧州のその他地域における既存チームの補強を目指す計画だ。

SentinelOne
SentinelOneは、プラハを欧州の操業拠点に据え、今後の3年で4500万ドルを超える投資を計画している。
提供:SentinelOne

 SentinelOneの計画では、チェコ共和国における総投資額は今後の3年で4500万ドル(約51億円)を上回るという。また、同社はカーネルやフロントエンド、バックエンド、検証、データエンジニアリングの他に、データサイエンスやデータ検出といったエンジニアリング分野をまたがった人材雇用を予定している。

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