アクロニス・ジャパンは12月8日、クラウドビジネス戦略に関する記者説明会を開催。2022年の年間経営収益を60%押し上げ、クラウド市場で90%の成長を目指すため、今後1年半で100カ国以上にデータセンターを設置することを明かした。
アクロニス・ジャパン 暫定ゼネラルマネージャー兼Acronis グローバルマーケティングオペレーション&デマンドセンター担当バイスプレジデント Hannes Migga-Vierke氏
日本法人暫定ゼネラルマネージャーでスイス本社 グローバルマーケティングオペレーション&デマンドセンター担当バイスプレジデントのHannes Migga-Vierke(ハネス・ミガ=ビエク)氏は、「日本および世界の中小企業は、サービスプロバイダー(事業者)が必要だ。それはデジタル化の圧力やサイバー脅威の複雑化、対応に長けた人材不足に悩まされている。中小企業が独自に対応することは難しい。われわれは優れた価値をパートナーに提供する」と主張した。
サービス事業者向けの製品カテゴリーが重要に
アクロニス・ジャパンはユーザー企業向けに「Acronis Cyber Protect」、サービスプロバイダー(SP)向けに「Acronis Cyber Protect Cloud」を提供している。2022年のロードマップとして、SP向けのCyber Protect Cloudにエンドポイントディテクション&レスポンス(EDR)やデータ漏洩対策、サービスプロバイダーの保護といった機能の実装を予定している。
特にEDRは、マネージドディテクション&レスポンス(MDR)サービスのコスト削減やサプライチェーン攻撃の可視化を実現できるという。Migga-Vierke氏は「インシデントの調査時間を数分に短縮し、不正アクセスに対応できる」と主張する。
また、同サービスはServiceNowなど他のソリューションと統合を図る機能を拡充しているが、2022年は「Microsoft Intune」やPSA Softwareの「HaloPSA」、SuperOps.aiの「SuperOps.ai」などへの統合対応を予定している。
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国内戦略については、サイバー脅威の複雑化と販売チャネルに求められる需要変化に応じるため、認定クラウド代理店を通じたSPがAcronisの技術を活用して独自サービスを提供可能にする戦略を採用。さらにSPが国内データセンターで独自サービスを提供可能なマルチテナントのSaaSプラットフォームを従量課金で提供する。
アクロニス・ジャパン クラウドビジネス本部 本部長 土居昌博氏
2014年2月に開設した長野データセンターに続き、神奈川県に第2データセンターを開設したことも発表した。アクロニス・ジャパン クラウドビジネス本部 本部長 土居昌博氏は「従来のユーザー数や企業規模にかかわらず、複雑化したサイバー境域からすべてのワークロードを保護する」と述べている。
アクロニス・ジャパンの展望を実現するには、「SP向けの製品カテゴリーが重要になってくる」(土居氏)。同社はSP向けチャネルに「アクロニス認定SPパートナー」を設け、Cyber Cloudのプラットフォーム利用権を付与。再販パートナーに販売する仕組みを採用した。
2022年の事業戦略としては、新規の認定SPパートナーを拡充するとともに、既存の認定SPパートナーに対してサービス化支援や開発支援を通じた認定技術者の育成を強化する。また、「ピンときていない方々に対して、マネージドサービスの啓蒙活動の強化」(土居氏)、Cyber Protection Cloudの継続的な機能改良と更新、サードパーティーのソリューションと統合を容易化する拡張を予定している。
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