アクロニス、法人向け製品ライセンスをサブスクに--2022年3月末までを移行期間

阿久津良和

2021-08-23 06:45

 アクロニス・ジャパンは8月20日、企業向け自社製品の提供形態をサブスクリプションに移行させることを明らかにした。同社は4月の新製品発表会でサービス事業者向けにフリーミアム形式を採用したが、今回法人向けとなる「Acronis Cyber Backup」「Acronis Cyber Files」「Acronis Files Connect」「Acronis Cyber Infrastructure」の4製品がサブスクリプションライセンスに移行する。

アクロニス・ジャパン 代表取締役社長 嘉規邦伸氏
アクロニス・ジャパン 代表取締役社長 嘉規邦伸氏

 従来の永続型ライセンスは9月30日に提供を終了する。即時移行が難しい顧客企業向けには、2022年3月31日までの移行期間を設けた。また、既存のサポート契約はポリシーに沿った更新にも対応する。

 アクロニス・ジャパン 代表取締役社長 嘉規邦伸(かき・くにのぶ)氏は提供形態の変更に伴い、「(顧客企業は)初期投資や費用の低減、柔軟なソリューション変更。(パートナー企業は)初年度費用の抑制や柔軟な提案が可能になる」などの利点が生じると述べた。

「移行はちょうど良いタイミング」

 本社の最高経営責任者(CEO)には、年7月1日付けでPatrick Pulvermueller(パトリック・プルヴァミュラー)氏が就任し、前CEOのSerguei Beloussov(セルゲイ・ベロウゾフ)氏は取締役会メンバー兼最高研究責任者(CRO)を務める。そのBeloussov氏は「バックアップだけでは顧客のIT環境を保護できない」と語っていたという。

 昨今の同社製品群がバックアップにとどまらず、セキュリティに注力する流れを踏まえれば当然の発言である。日本法人の嘉規氏は「今日、明日には新しい脅威にさらされる可能性を踏まえると、顧客環境を保護するベンダーとして(われわれは)新技術を提供し、顧客を保護する必要がある。これが従来の永続型ライセンスからサブスクリプションモデルに変更した最も大きな理由」だと移行理由を説明した。

 SaaSに限らずパッケージソフトウェアの多くがサブスクリプションモデルを採用しているが、嘉規氏は今回の移行タイミングについて、「早くもなく遅くもなく、ちょうどよいタイミング」だと述べている。

 「早期にサブスクリプションモデルを採用した他社は一時的に大きく売り上げを落とした。パートナー企業と話をすると、3年前では『難しい』という声が大きかったが、現在は(継続的に収益を得る)ストックビジネスに移行し、各セキュリティベンダーも(サブスクリプションモデルに)舵を切った。この考えが浸透しているからこそパートナー企業の懸念は小さく、どのようにストックビジネスもしくは(別製品もあわせて提案する)クロスセルの仕組みを作っていくのか、前向きな議論ができた」(嘉規氏)

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