IT技術者向け求人サイトであるDiceが発表したレポートによれば、米国の技術者の平均給与は、2021年に初めて10万ドル(約1100万円)を超えたという。この調査結果は、あらゆる業界でIT人材に対する「継続的かつ持続的」な需要があることを裏付けている。
提供:Tom Werner/GETTY
Diceのレポート「2022 Tech Salary Report」では、2020年から2021年にかけて米国の技術者の平均給与が7%近く上昇し、10万4566ドルに達したことが明らかになった。Diceは、今回の給与額は、17年前に調査が始まって以来の最高額になったと述べている。
給与が最も多かったのはITを担当する企業役員で、平均給与は年間15万1983ドル(約1700万円)だった。Diceによれば、この金額は2020年よりも6%高くなっているという。
またシステムアーキテクトの給与は、5.1%増加して14万7901ドルとなった。この賃金上昇は「さまざまな環境で技術スタックを構築し、維持し、拡張できる」開発者に対する需要が増していることを反映したものだ。
2021年に3番目に給与が高かった技術系の職種は、クラウドアーキテクト/エンジニアで、平均給与は14万571ドル(前年比3%増)だった。また、続く4位と5位には、サイバーセキュリティエンジニア/アーキテクト(13万5059ドル)とデータアーキテクト(12万8835ドル)がランクインしている。
Diceの最高経営責任者(CEO)Art Zeile氏は、コロナ禍の圧力が、企業のデジタル戦略推進とリモートワークのためのIT環境の整備を支える技術者の需要を押し上げたと述べている。Zeile氏は、米ZDNetの取材に対して、「米国の技術者の給与が引き続き上昇していることは心強いが、そこに驚きはない」と語った。
「コロナ禍が始まったことで、あらゆる種類と規模の企業がオンライン業務環境に移行することを強いられ、それらの企業の多くは、変化する状況に対応しようとデジタルトランスフォーメーションプロジェクトを加速させた」(Zeile氏)
ほとんどの技術系の職種では給与が上昇したが、いくつかの職種では、他の職種よりも伸びが大きかった。