デジタルトランスフォーメーション(DX)がカバーする範囲は広がり続けている。ITリーダーがそこで大きな成果を挙げるには、リスクを取っていく必要がある。
Gartnerの調査で、企業の取締役の半数以上が、2022年に向けて以前よりもリスクを許容するようになっていることが明らかになっている。回答者の多くは、その理由として経済の不確実性や、競合他社がもたらす破壊的なビジネスモデル、供給不足による費用の増大などを挙げている。
経営陣が抱えているこうした新たな要求に、さまざまな取り組みによって応えていくのは複雑な作業だ。IT担当役員が、企業や顧客のために優れた成果を挙げるには、自分や自分のチームがリスクとメリットのバランスを取れるような準備を整える必要がある。
この記事では、4人のビジネスリーダーに、事業部門のためにDXプロジェクトを成功させるためのベストプラクティスを聞いた。
1.必要な時に部下をフォローする
保険会社のMarkerstudy InsuranceでITディレクターを務めているAdam Miller氏は、大胆なリーダーになるために重要なのは、自信を持って決断することであり、それには個人的な知識と、チームとの強固な信頼関係が必要だと述べている。
「対象のことについてよく知っているほど、自分が下そうとしている決断や、その内容をどう伝えるべきかについて自信が持てる」と同氏は言う。「同様に、身の回りに強力なチームがいれば、自分の決断に自信が持てる。この2つは相互補完的な関係にある」
Miller氏は、すべてのビジネスリーダーは、進めているプロジェクトを支援してくれる人たちとの関係構築に力を注ぐべきだと話す。またリーダーは、こうした人間関係の構築には終わりがないことを常に意識しなければならない。部下はリーダーの行動を見ている。
「自分の下で働いているスタッフの面倒を見て、彼らの判断を支持することが強固な関係性の構築につながる。そのためには、必要に応じて部下を守ることも必要だ。チームとの関係性が強固になれば、自分の決断にも自信を持てるようになる」とMiller氏は述べている。