優れたアイデアはどこから生まれるかわからない。だからこそ、成功を収めるためには、社の内外を問わず、あらゆる人の意見に耳を傾けることが重要になる。
Harvard Business Reviewの記事によれば、人の話を聞くスキルについて教えるコースを用意しているビジネススクールは少ない。しかしこれは、ITやビジネスのプロフェッショナルが、自分は今起こっていることも、次に起こりそうなこともすべて知っていると思い込んでしまうさまざまな要因に対抗するために、必要不可欠なスキルだという。
この記事で言う「情報バブル」にとらわれるのを避けるためには、あらゆる階層の従業員が、新しいアイデアや、一緒に働いている人の懸念に対してオープンな態度で接するような環境作りをする必要がある。この記事では、常に新しいアイデアにオープンに接することができるようにするための、4つの秘訣を紹介する。
1. 他の人の視点を理解するための時間を設ける
電車移動のための経路検索やチケット予約を行う英国のサービスを提供しているTrainlineの最高技術責任者(CTO)Milena Nikolic氏は、よい聞き手になるために重要なのは、人の話を聞くための時間をしっかり設けることだと述べている。しかしそれは必ずしも簡単ではない。
「誰もがあまりにも多くの仕事を抱えており、日々の問題に時間を取られてしまいがちになっている」と同氏は言う。「誰かと会ったり、人の意見を聞いたり、階層が2つ下のスタッフと定期的に情報をすり合わせたりするには、自分は忙しすぎると考えてしまう人が多い 」
しかしNikolic氏は、人の意見を聞くために、定期的にスケジュールを取るべきだと話す。同氏は、ビジネスリーダーは、四半期に1度は状況を確認して物事がうまく進んでいるかを把握すべきであり、「そうしたことに時間を割くことは極めて重要だという信念を持っている」と述べている。
よい聞き手になるためのもう1つの重要な要素は、共感することだ。Nikolic氏は、従業員全員が他人の話を十分に聞き、相手の立場を理解するよう努めるべきだと話す。
「そのようなアプローチで臨めば、どんな視点でもばかばかしいとは考えなくなるし、どんなアイデアもばかげているとは感じなくなる」と同氏は言う。「文脈が適切ではない意見や、自分とは文脈が異なる意見を聞くこともあるかもしれない。しかし結局のところ、共感を持ってそれに接し、考えを自由に表明できるだけの時間を相手に与えれば、それが自分の視座を高めることにつながる」