クラウド型経費精算システム「楽楽精算」を開発・提供するラクスは、適格請求書等保存方式(インボイス制度)と改正電子帳簿保存法に関する意識調査の結果を発表した。
2023年10月開始のインボイス制度について、「名称は知っているが、どのような内容か知らない」「名称も内容も知らない」と回答した企業がそれぞれ19.3%と18.0%で、計37.3%が同制度を知らないと回答した。2022年3月の調査で同様の回答割合が37.1%であったことから、インボイス制度の認知度は横ばい状態になっていることが明らかになった。
適格請求書発行事業者登録について「既に登録している」が38.4%で、残りの61.6%の企業は未登録という結果だった。一方、取引先が適格請求書発行事業者ではない場合、6割以上が「取引を継続しない」「継続するか検討する」と回答。「適格請求書発行事業者登録をしているかどうかは、請求書受取側(買い手側)にとって、仕入税額控除を受けることができるかの重要なポイントとなるため、今後の取引獲得や継続に大きな影響を与えることが予想される」(ラクス)
2022年1月施行の改正電子帳簿保存法について、施行6カ月経過も「電子帳簿保存法に則して運用している」企業は約2割に留まった。従業員規模ごとに見た場合、従業員300~1999人の企業のうち「電子帳簿保存法に則して運用している」と回答したのは32.0%だったのに対し、従業員30~299人の企業では18.9%という結果で、中小企業の対応遅れが顕在化してきていることが分かった。
電子取引関係書類の保存方法については対応が先送りになっており、31.6%が「猶予期間が設けられたので、電子で受け取った請求書を、従来通り紙に印刷し保存している」と回答した。また、「取引先に紙での請求書発行に切り替えてもらい、紙の請求書を保存している」との回答が6.3%あり、電子帳簿保存法への理解浸透にも課題があることも明らかになった。
「2023年10月にインボイス制度が開始し、その直後の2023年12月末に電子帳簿保存法の『電子取引データ保存の義務化』の猶予期間が終了となり、全企業の対応が必須となる。今まさに各法制度への対応準備は重なっている状況となり、企業側は各法制度に対して準備を進めることが求められる」(ラクス)
今回の調査は、全国の経理・財務・会計担当者848人を対象に6月22~27日に実施された。