この連載では、企業に旧バージョンのまま残されているLotus Notes/Dominoのマイグレーションニーズを糸口に、企業ユーザーが今後10年を見据えたコラボレーション基盤を構築するにあたって、必要な考え方とツールについて探っている。
今回と次回は2回にわたり、Notes/Dominoが有効に活用できる分野のひとつであるナレッジマネジメントの専門家に話を聞き、今後の企業の情報流通とコラボレーション基盤のあり方を考えてみたい。
「コラボレーションは、企業内LANの枠を超えたありかたを論じる段階になっている」と語るリアルコムの吉田健一氏
企業のコラボレーション基盤のあり方について、「もはやNotesを使い続けるとか、マイクロソフトに置き換えるべきかといった議論ではなくなっている」と指摘するのは、リアルコムの取締役執行役員を務める吉田健一氏だ。
リアルコムは長年、ナレッジマネジメントをキーワードにNotes/Dominoを中心とした情報共有基盤ソリューションを提供し、Notesユーザーのさまざまな要望や悩みに応えてきた。
Notesが日本に上陸して15年。その間に、NotesがITツールとして、日本のビジネスにどのようなインパクトを与えてきたかを振り返ると、大きく3つのポイントが浮かび上がると吉田氏は言う。
1つは、デジタルワークスタイルへの進化を促した点だ。Notes以前とNotes以後では、企業内で伝達される情報の「デジタル化率」が大幅に変化した。基幹系の数値データのみならず、それまで基本的に「紙」や「ホワイトボード」の上だけで処理されていた会議の議事録、社内通達、予定表、掲示板といったものをデジタル化するにあたり、その先べんをつけたのがNotesであり、まさに劇的といえる進化をもたらした。
2つ目が、スイートとして提供されることによる機能の集約である。Notesはメーラ、スケジューラ、掲示板、会議(ディスカッション)など、業務に不可欠なツールをパッケージとして提供することによって、「Notesを入れれば必要最低限の機能はすべて手に入る」という安心感をユーザーに与えることに成功した。
3つ目は、高度なEUC(エンドユーザーコンピューティング)の容易な実現を可能にしたことだ。開発作業に関する専門知識を持たないユーザーでも、フォームとスクリプトとの組み合わせで、ニーズに応じたアプリケーションを構築できる環境が用意されていた。それが、ボトムアップでのIT活用による業務効率化を推し進める上で極めて重要な役割を果たした。Notesに多くの「ファン」が生まれた大きな理由のひとつは、このEUCにまつわる機能の高さにあるといってもいいだろう。
その一方で、近年、Notesマイグレーションが求められるようになった理由のひとつには、技術の進化やビジネスの環境変化により、これらNotesの利点のそれぞれについて再検討が求められつつあることが挙げられる。では、何がどのように変わってしまったのだろうか。
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