デルは12月7日、スタートトゥデイが運営するオンラインショッピングモール「ZOZOTOWN」のシステム全体の再構築を行ったことを明らかにした。同システムでは、「PowerEdge(パワーエッジ)」を中核とした新システムを納入し、パフォーマンスおよび可用性の向上と運用管理/サポート体制の最適化によるTCO(総保有コスト)の削減を約半年間の移行期間で実現した。
スタートトゥデイのZOZOTOWNは、ストリート系アパレルブランドを中心としたファッションから音楽、アクセサリー、雑貨、インテリアなどを扱うオンラインショッピングモール。PCと携帯電話から、一日平均300万ページビューのアクセスがある。
今回のシステム再構築は、会員数/アクセス数の急増で限界に近づきつつあった既存のインフラを全面的に見直したもの。ロードバランシングによる的確な負荷分散の実施をはじめ、システムダウンの回避、リッチコンテンツをスムーズに表現できる環境作り、そして運用/管理の自動化によるTCOの削減が目標とされた。
こうしたニーズを受け、デルは全サーバの二重化による可用性を向上や、システム監視によって問題の早期発見、解決を可能にする体制の構築を提案した。
具体的なシステム構成は、フロントエンドにはデュアルCPUを搭載した「PowerEdge 1850」を導入。データベースを核とするバックエンドに、「PowerEdge 6850」をクラスタ構成で導入した。さらに、システム監視ソリューション「Microsoft Operations Manager(MOM)2005」も実装。コンテンツやユーザーデータベースは、ファイバーチャネルSANストレージ「Dell|EMC CX300」を新システムと連携させてスナップショットによる高速にバックアップを行う。
この結果、これまでアクセスのピーク時に100%近くに達していたWebサーバのCPU利用率が、50%以下に軽減。通常時には30%〜40%での推移となっており、パフォーマンスの課題が軽減された。また、データベースのチューニングとロードバランサによるクラスタ構成を取り入れたことで、可用性も大幅に向上している。
スタートトゥデイでは、今後も適切なタイミングでシステムの拡張を計画している。現在、データベースを「Microsoft SQL Server 2005」にアップグレードすることを検討中で、64ビットネイティブ環境への対応など新しい技術/製品の導入も積極的に検討していく方向だ。