フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン(フリースケール)は3月6日、MXC(Mobile eXtreme Convergence)アーキテクチャおよび「MXC300-30プラットフォーム」を中核とした第3世代携帯電話向けプラットフォーム戦略をプレス向けに紹介する説明会を開催した。
フリースケールは、ネットワーキング、車載、ワイヤレス、産業制御、コンシューマの5つの市場にフォーカスした半導体企業。モトローラの半導体部門として1953年より半導体の設計から製造までを行ってきたが、2004年にフリースケールとしてモトローラから独立した。現在、1万社以上の顧客を持ち、2005年の売り上げは58億ドルに達している。
中でも、携帯電話やコンシューマ機器、コンバージェンスデバイスなどを対象としたプラットフォームを提供するワイヤレスソリューションの分野は急成長を続けている分野であり、2005年には同社の売り上げ全体の3分の1にあたる18億ドルを売り上げている。今回、発表されたMXCアーキテクチャおよびMXC300-30プラットフォームは、ワイヤレスソリューション分野における第3世代携帯電話向けの開発プラットフォーム環境を提供する。
「現在、グローバルな携帯電話市場は、ノキア、モトローラ、サムスン、LGなど、海外の携帯電話メーカーに牛耳られており、日本企業の最上位はパナソニックの8位、NECの9位と苦戦を強いられている。しかし、ある第3世代携帯電話の地域別出荷台数の調査では、日本市場が全体の半分を占めており、日本が市場を牽引している」と話すのは、フリースケールのワイヤレスグループ ゼネラルマネージャーである友眞衛氏。
同氏は、「台3世代携帯電話の分野は、日本の携帯電話メーカーにとって大きなチャンス。このチャンスを生かすには、低価格化や小型化、デュアルモード化はもちろん、低価格モデルから高価格モデルまでサポートできる柔軟性や安定した伝送系、オープンOSのサポートなどが不可欠になる」と話している。
そこで有効になるのが、MXCアーキテクチャおよびMXC300-30プラットフォームだ。「MXCアーキテクチャは、小さく、安い、携帯電話を迅速に市場に投入するための統合されたアーキテクチャであり、MXC300-30プラットフォームは、それを実現するプラットフォーム製品だ」と友眞氏。
同プラットフォームを使用することで、18mm×20mmの実装面積で第3世代携帯端末を実現できる。また、L2キャッシュメモリを搭載することで約40%の性能向上を期待できるほか、約30%のシステム開発コストの削減、最大50%の消費電力の節約が可能。さらに、プラットフォームの共通化により、最大50%の開発期間短縮を実現できるという。
MXC300-30チップセットを構成する「パワー&オーディオマネージメント」「WCDMAトランシーバ」「GSM/EDGEトランシーバ」「Quad Band GSM/EDGEパワーアンプ」「Single Band WCDMAパワーアンプ」については、すでに量産中。「ベースバンドプロセッサ」については2006年4月より量産が開始される。