シトリックス・システムズ・ジャパンは1月24日、同社の2006年度における事業方針に関するプレス向けの説明会を開催。Citrix Access Suiteビジネスの継続的な成長とビジネスポートフォリオの拡大、よりダイナミックで市場ニーズを吸収できる組織形成により、日本市場において前年度比20%以上の売り上げ増の継続を目指すことを明らかにした。
2005年度のCitrix全体のハイライトとしては、ユーザー企業数が16万社、総ユーザー数が6000万人を超え、9億900万ドルを売り上げている。CitrixのMark B. Templeton社長兼CEOは、「ソフトウェア企業で10億ドルを売り上げている企業はそれほど多くない。2006年中にCitrixは、ソフトウェア業界において17番目となる10億ドル企業の仲間入りを果たすことは確実」と話しているという。
この成長を支えた戦略のひとつが企業の買収であり、2005年8月には新たなアクセス手段となるApplication Networking分野を強化することを目的にNetScalerを、2005年11月にはApplication Networking技術を強化することを目的にTerosの買収を発表した。
- 2006年度の抱負を語るシトリックス代表取締役社長の大古俊輔氏。
また、日本市場も好調に成長を続けており、シトリックス代表取締役社長である大古俊輔氏は、「社長に就任して1年で、公約どおり3000社の新規顧客獲得を実現した。これにより、日本のユーザー企業数は1万2000社を超えている」と話している。
2005年度にリリースされた新製品としては、サーバベースコンピューティングを実現する「Citrix Presentation Server 4.0」を中核に、シングルサインオン環境を実現する「Citrix Password Manager 4.1」、導入と管理が容易なSSL VPNアプライアンス製品である「Citrix Access Gateway 4.2」などで構成される「Citrix Access Suite 4.2」を発表している。
また、NTTドコモのビジネス向け携帯電話「FOMA M1000」を使用したモバイルソリューション「Citrix Presentation Server FOMA M1000クライアント」の提供が近く予定されているほか、WILLCOM W-ZERO3へのICAクライアントの移植も計画されている。
2006年の展望としては、セキュリティ市場、企業内部統制、モバイル市場に注力していく計画。お起こしは、「2005年4月の個人情報保護法の施行に伴い、情報漏洩対策の一環としてCitrix製品に注目が集まった。2006年は導入がさらに加速するだろう」という。また、2008年3月期からの施行が予定されている日本版SOX法においてもIT活用が推進されることから「ビジネスチャンスが大いに期待できる」と大古氏。さらに、モバイル分野においてもこれまで以上に需要が拡大する見込みだとしている。
具体的な取り組みとして大古氏は、「Citrix Presentation Serverビジネスをより一層拡大していくことはもちろん、Citrix NetScalerビジネスを本格的に立ち上げていく計画だ」と話す。そのために、シトリックス社内にNetScaler専門の営業および技術部門を立ち上げると共に、販売チャネルの強化を行っていく。
「Citrix Access Suiteに次ぐ、第2のビジネスの柱に育てていきたい」と大古氏は話している。さらに第3のビジネスの柱として、サポート/サービスビジネスの強化を行っていく計画。大古氏は、「テレマーケティング部を設置することでインバウンドおよびアウトバウンドによるカスタマーケアを強化するほか、製品サポートサービスのスキームを明確にし、顧客満足度を向上させると共に、サポート/コンサルビジネスを拡大していきたい」と話している。