画面情報端末ソフト大手のシトリックス・システムズ・ジャパンは9月5日、同社が7月1日から出荷したSSL-VPN装置「Citrix Access Gateway 4.0」にキャンペーン価格を適用した。適用期間は9月5日から11月30日まで。装置本体(42万4200円)と10ユーザー同時接続ライセンス(16万8000)の組み合わせ価格である59万2200円に対し、キャンペーン価格35万円を適用する。開発会社は米Citrix Systems。
Citrix Access Gateway 4.0はSSL-VPN装置である。同社の画面情報端末ソフト「Citrix Presentation Server 4.0」(旧MetaFrame)と組み合わせて使うことで、遠隔アクセスのセキュリティと利便性を向上させるのが狙いである。従来からの用途である社内LANや遠隔拠点からの利用に加えて、新たに自宅や出先のインターネット接続環境から社内資源を利用する使い方に着目した製品だ。
Access Gatewayは、SSL-VPN装置として一通りの機能を備える。SSL通信専用クライアントプログラムをインストールすると、WindowsのNDIS(Network Driver Interface Specification)ドライバに組み込まれる。これにより、上位のアプリケーション・プロトコルに依存しない汎用のSSLトンネルを張って、あたかも社内LANに直接接続しているかのようにアプリケーションを起動できる。
汎用のSSLトンネルを使って業務アプリケーションのクライアントソフトから直接社内にアクセスする使い方以外に、同社の画面情報端末ソフトで用いるICA(Independent Computing Architecture)プロトコルやウェブアクセス用のHTTP/HTTPSを用いたアプリケーションの利用も可能である。
画面情報端末ソフトの注目事例として同社は9月6日、UFJ銀行のウェブアプリケーション事例を紹介した。ウェブブラウザをサーバ側で動作させ、ウェブブラウザのグラフィックス画面情報だけをユーザーのクライアントPC上に実現する事例である。ウェブブラウザをパソコン上で実行しないことにより、ウェブアクセスに起因するセキュリティを防止するのが狙いである。
かつてウェブブラウザは、データベースにアクセスするDBクライアント機能をウェブサーバ側に配置し、画面だけをHTMLでユーザー側に転送するシンクライアントとして注目を集めた。ところが、ウェブブラウザはCPU負荷の大きな巨大なアプリケーションであり、インストールやバージョンアップの手間がかかるのが現実だった。HTTP通信のネットワークトラフィックも遅延が大きかった。情報システムの階層を増やしてフロントエンドに画面情報端末プロトコルを持ってくることで、セキュリティやネットワーク負荷を含めた運用管理全体のコストを削減することが可能になる。