電通国際情報サービス(ISID)は3月12日、デンマークの計測機器メーカーであるブリュエル・ケアーの日本組織であるスペクトリス ブリュエル・ケアー事業部(BKジャパン)と販売提携契約を締結し、ブリュエル・ケアーが提供する音響振動実験解析システム「PULSE」の国内販売を4月1日から開始すると発表した。またISIDは、同社の子会社であり、製造業向け実験・解析コンサルティングサービスを提供するエステックとの連携により、振動騒音の問題解決を総合的に支援するソリューションを提供していくとしている。
PULSEは、機械系製品の振動騒音実験で「信号計測」「信号ポスト処理」「モーダル解析」を実施するためのシステムで、「PULSE Labshop」「PULSE Reflex」およびフロントエンドハードウェアで構成されるという。
PULSE Labshopは、センサーから出力されるアナログ信号をフロントエンドハードウェアでデジタルデータに変換して保存し、信号計測を実施するソフトウェア。また、PULSE Reflexは、保存されている時間軸のデジタルデータに演算処理を行い、分析評価が可能な物理特性値に変換し表示する信号ポスト処理、および信号計測やポスト処理によって得られた関数データ(周波数応答関数)から、構造物固有の振動特性(モーダルパラメータ)を算出するモーダル解析を行う。PULSEは製品の複雑な振動特性を正確に把握し、防振、騒音低減、疲労耐久性向上などの製品性能を改善するための設計検討のツールとして活用できるとしている。
鉄道や航空機から、自動車、電機精密機器、OA機器にいたるまで、あらゆる機械製品において、「防振性(稼働時の振動を抑えること)」と「静粛性」は重要な性能の一つである。高機能化、軽量化、低価格化あるいは環境対応など、ものづくりに求められる要件が変化するなかで、製品開発の現場では、常に振動騒音の特性を十分に考慮する必要がある。また振動騒音の特性は耐久性にも大きく関わるため、製品の信頼性、および企業のブランドイメージを維持向上するうえでも重要な要素だという。
今後、ISIDのPULSE販売開始とともに、エステックとBKジャパンは業務提携を行い、3社間の相互協調体制を構築。3社連携によりPULSEの販売、導入サポートを提供するとともに、製品開発プロジェクトや技術構築を支援するコンサルティングサービスを提供するとしている。