伊藤忠テクノソリューションズのグループ会社であるシーティーシー・エスピー(CTCSP)は2月15日、リアルタイムデータ複製(レプリケーション)/フェールオーバソフトの最新版となる「Double-Take for Windows Ver5.0」の出荷を開始したことを発表した。
同社によれば、同製品はシステム領域をリアルタイムに複製し、サーバレベルでフェールオーバを実現できる(フルサーバフェールオーバ)、唯一の「継続的データ保護(Continuous Data Protection:CDP)」製品という。
CTCSPでは、現在の一般的な冗長化システムは、それぞれのノードに同等のアプリケーションをインストールし、さらにそれぞれにメンテナンスが必要になっているという。それに対して、フルサーバフェールオーバ機構を利用する冗長化システムは、待機サーバに対するアプリケーションソフトやそれに付随するソフトのインストールは一切不要であり、本番サーバのシステム領域をすべて待機サーバに対してリアルタイムに複製する。
本番サーバに障害が発生した場合には、それまでに転送されたシステム領域を待機サーバ自体に動的に適用し、OS自動再起動後は完全に本番サーバとして業務を再開することができるという。
構成上、待機サーバは本番サーバと同一ドメインに所属させておく必要はなく、ワークグループサーバとして単にネットワーク上に存在しているだけでいい。また、ローカル間(LAN)だけでなくリモート間(WAN)でも構成が可能であり、32ビット版/64ビット版の両方をサポートしている。待機サーバとして利用可能なハードウェアにも特段大きな制約はないとしている。本番サーバとは別のベンダーのサーバ/モデルであっても、最低限、ハードウェア抽象化レイヤ(HAL)のタイプに互換性を持っていれば、物理サーバ/仮想サーバを問わず利用が可能となっている。
フルサーバフェールオーバは、導入時の直接投資だけでなく、運用管理コストの低減にも大きく貢献するという。障害発生後の縮退運用からフェールバック処理、リストア処理が不要であること、待機サーバに対する運用メンテナンスがほぼないに等しいだからと同社では説明している。
これまでのCDP実現に対する課題は、災害復旧環境を維持し続けなければならないという代償があった。いわば、これは“リスクへの投資”であり、災害復旧サーバのOSやアプリケーション、さらに設定を本番環境と一致させることが求められ、このことが運用コストを押し上げる要因であった。Double-Take for Windows Ver5.0は、フルサーバフェールオーバなどの機能で、こうしたユーザー企業のリスクへの投資を廃止できるとしている。
Double-Take for Windows Ver5.0では、ユーザー企業にサーバマイグレーションにも対応している。フルサーバフェールオーバ機構を通じて、OSやアプリケーションを含むユーザーデータ領域全体を物理領域だけでなく、仮想領域からも別のサーバに保全可能。IT管理者は、生産性を阻害するリスクを最小限にとどめつつ本番サーバを運用させながら、異種ハードウェアにマイグレーションできる。マイグレーション完了後も、Double-Takeを引き続き運用することで、業務全体を保全し続けることができる。