テンアートニ、Linux向けHAクラスタシステムの機能強化と新たなパートナー施策を発表

柴田克己(編集部)

2006-09-11 21:48

 テンアートニは9月11日、同社の提供するハイアベイラビリティ(HA)クラスタシステム「LifeKeeper」の機能強化と、新たな拡販施策についての発表を行った。

 LifeKeeperは、同社が6月に買収を完了したSteelEye Technologyが開発、販売を行っている製品。Linux向け、Windows向けの製品があり、両プラットフォーム上における、データベース、ウェブサーバなどのクラスタリングに広く用いられているという。

 10月2日には、Linux向けLifeKeeperの機能を大幅に拡張した「LifeKeepwer for Linux v6」と、ネットワーク経由での非同期ミラーリングを可能にした「SteelEye Data Replication for Linux」(SDR-L)を発売する。

 LifeKeeper for Linux v6では、VMware ESX Server環境における物理サーバ、仮想サーバ間での柔軟なフェールオーバーが可能となり、仮想環境同士での冗長化にも対応する。ブレードサーバのAuto Boot機能、リソースアロケーション機能を使ったシステム構成にも利用可能だ。

 SDR-Lでは、SteelEye Technologyの開発によるmdデバイスのカーネルパッチにより、従来の同期ミラーに加えて、非同期ミラー、部分再同期機能をサポートする。LAN/WAN環境での利用が可能となり、大規模障害の検知時間を数十秒まで短縮したほか、新しいGUIオプションによって、ミラーの管理がより容易になるという。

 また同日、テンアートニはLifeKeeperの販売拡大を目的とした、「LifeKeeperビジネスパートナープログラム」を開始することを発表した。プログラムは協業の形態によって「SIパートナー」「SI&サポートパートナー」「ディストリビューションパートナー」「ハードウェアパートナー」「ソフトウェアパートナー」に分かれており、テンアートニによる、セールスツール、デモツールなどの提供をはじめとしたセールス支援、トレーニングやサポートによる技術支援、共同イベントや共同プレスリリースなどのマーケティング支援などを行っていくとしている。

喜多社長写真 テンアートニ、代表取締役社長の喜多伸夫氏

 テンアートニ、代表取締役社長の喜多伸夫氏は、SteelEye Technology買収の狙いとして、優秀な同社の開発者をグループに迎え入れることによる技術的なシナジーが期待できること、日本市場のニーズへのきめ細かな対応が可能になることなどを挙げた。

 また、海外販売市場へも積極的に参加し、2009年には、SteelEye Technology単独で、15億円の売上、5.8億円の営業利益を目指すという。

 テンアートニは、ワールドワイドでのブランド力の向上を目指し、2006年11月に「サイオステクノロジー」へと社名を変更することを発表している。

 「(SteelEye Technologyの買収は)テンアートニのグローバル化への布石。ワールドワイドに通用するソフトウェアを日本発で世界へリリースすることで、ソフト業界における貿易不均衡を是正していきたい」(喜多氏)

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