Inforは日本市場に完璧にフィットする―Jim Schaper CEO

大野晋一(編集部)

2008-11-06 18:30

 「アプリケーション導入における課題は文化とは関係ない。どの国も求めているのはコスト効率の良さだ。日本市場は確かにユニークな市場。製造業で多くの革命を実現し、革新的な市場で革新的なものを受け入れる姿勢がある。Inforのモデルはこうした日本に完璧にフィットする」――こう語るのは米Infor Global SolutionsのJim Schaper CEOだ。

 なぜInforなのか? 一言でいえば、コンポーネント指向の製品を持っているからだ。コンポーネント指向の柔軟さが国内のアプリケーションの現実にフィットするというわけだ。

 国内企業のERPの導入コストは海外と比べて飛び抜けて高いと指摘される。主な理由は現場の力が強くトップダウンで要求仕様をまとめるのが難しいこと、そうでありながら様々なものを中央集権的に管理しようとすることだ。結果、多くの企業は巨大なERPをビッグバン導入し、大福帳のようにすべての情報をここに集約しようとする。しかも、現場の要望を満たすために多岐にわたるカスタマイズを行うのだ。当然コストは高くなる。

 とはいえ、中堅規模の企業であってもビジネスを国内だけで閉じることはできず、グローバル展開は必須だ。

 日本インフォアの村上智代表取締役社長は現在日本の顧客が抱えているこうした問題について次の3点を指摘する。

  1. グローバルでの経営の見える化ができていない
  2. 日本の本社がグローバルITガバナンスとして機能していない:
  3. ERPのインプリメンテーションにかかっている時間・お金がかかりすぎている

 村上氏は特に3点目に関して、非常に意欲的だ「欧米に比べて、金銭面で言えば4〜5倍くらい、時間面では1.5倍〜2倍かかっている。現場が強いという日本の長所が、少なくともERPの導入という観点ではマイナスに働いている。インフォアとしては、現在進行中のプロジェクトで280人日までの導入(金額的には7000万円くらい)にチャレンジしている。来年にはこれを5000万円くらいに圧縮していきたい(もっともこれらはある工場、ある事業部という単位での早期導入)」(同氏)。

 さらに、Jim Schaper CEOは次のように指摘する――「日本は歴史的にもすべてを中央に集めてしまう傾向がある。しかし、グローバリゼーションに伴って、ビジネスネットワークに移行することで中央集権的なガバナンスと言うよりはプロセスの共有化が必要になる。こうした状態では、分散化しながらも、共有して見ることができるデータとプロセスが求められる。これは、短期的に見れば、日本で顕著に起こる問題かもしれないが、長期的には世界中ですべての業界で起こることになる」。

 Inforはこうした状況に対し、前述のようなコンポーネント指向ならではの柔軟で無理のない、結果的に低コストな導入が可能なアプリケーションを提供してきた。さらに、コンポーネントどうしを繋げる「Open SOA」の提供を目下行っている。Jim Schaper CEOは今後も買収によるアプリケーションコンポーネントの買収やOpen SOAへのR&D投資を継続すると明言する。

 そして、Inforが積極的に取り組む新しい投資が「Evolveコンポーネント」と呼ばれるものだ。これは「Open SOA」に接続されたすべてのアプリケーションから利用できるInfor独自の機能コンポーネント。2009年までに19のコンポーネントが提供されるという。

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