富士通は2月22日、必要なときに必要な規模でインフラを仮想的に提供するIaaS「オンデマンド仮想システムサービス」を5月10日からトライアル提供することを発表した。トライアル提供の後で10月から商用サービスを提供する。
オンデマンド仮想システムサービスは、処理速度などの性能ごとにエコノミー、スタンダード、アドバンス、ハイパフォーマンスの4タイプを提供、1時間単位での利用が可能。エコノミーは1時間あたり31円で利用できる。
ディスクやネットワークは、容量や通信量による従量課金制を採用する。必要なOSやミドルウェア、セキュリティ機能などは月額料金で利用できるとしている。仮想サーバごとのシャットダウンが可能で、利用していない仮想サーバの料金は発生しない。
サーバの構成やスペック、台数、OSなどをウェブ上で選択するだけで簡単にシステムを構築できるという。決定ボタンを押してから数分で必要なサーバ環境が利用できる。仮想サーバやディスクの追加、削減、バックアップやリストア、ファイアウォールもウェブから設定できる。
検証済みサーバ構成をシステムテンプレートとして用意するので、ユーザーは効率的にサーバ設定できるとしている。ダッシュボード機能を提供し、仮想サーバのCPU稼働状況、ディスクの使用I/O数、ネットワーク転送量などを常時確認できるという。
システム形態は、ウェブサーバ、アプリケーションサーバ、データベース(DB)サーバの3階層から構成を組むことが可能。専用のファイアウォールも標準機能として提供することから、ユーザーの要望にあったセキュリティレベルのシステムを構成できるとしている。また、富士通の「FENICS」などを利用した仮想私設網(VPN)接続が可能だ。サービスレベルの保証、データの多重化、自動フェイルオーバといった機能も提供するとしている。
富士通は2009年7月からクラウドサービス基盤「Trusted-Service Platform」上にSaaSやパッケージ製品を搭載し、基盤検証、サービス利用での効果検証、信頼性検証など社内39プロジェクトで検証してきているという。