富士通と富士通システムソリューションズは、製薬企業などで実施される臨床試験業務を支援するSaaS「tsClinical」を、1月19日から発売する。このサービスは、新薬開発時の臨床試験で必要となる症例データ(試験結果)の管理システムを、試験期間や規模に応じ、ネットワーク経由にてオンデマンド方式で提供するサービスだ。
このサービスを利用することで、従来臨床試験ごとに導入していた症例データ管理システムの導入が不要となり、臨床試験の早期実施や、システムのコスト削減、運用作業の負担軽減を図ることが可能になるという。
「tsClinical」は、業務支援(Business Layer)、横断的マネジメント支援(X management Layer)、サービス基盤およびデータ基盤(Foundation Layer)の3層構造から構成されており、今回は第1弾として、Business LayerとFoundation Layerを組み合わせたデータマネジメント業務サービスを投入する。
同サービスはSaaS型であるため、臨床試験を実施していない期間のシステムへの投資や運用管理費用を抑制できる。また、サービスの導入に際し、あらかじめバリデーションを実施した環境を提供、従来ユーザー側で実施していたバリデーションの負荷が軽減される。さらに、製薬企業と医薬品開発業務を受託する機関が同一のシステム環境を利用し、共同で臨床試験を実施することも可能となるため、「データの共有化や進捗の管理など、コラボレーション効果をいっそう高めることができる」(富士通)としている。
今回、臨床試験の支援業務サービスなどを提供しているベルシステム24が、先行してこのサービスを導入した。富士通は、今後3年間で10億円の販売を目標としている。