日本IBMは1月19日、警察向けソリューション「IBM 犯罪情報分析ソリューション」を提供し、世界の警察機関での納入実績をベースとした情報分析分野における警察向けビジネスを強化することを発表した。
同ソリューションは、目的や現状の情報の持ち方や適用範囲に応じて複数のIBMのソフトウェアにより構成され、散在する大量の捜査情報から関連する人物、場所、物、イベントの相関関係を可視化すると同時に、犯罪の発生パターンを抽出し犯罪の早期解決や抑止まで支援するものだという。
同ソリューションを構成するソフトウェアは、「IBM Content Analytics」「IBM InfoSphere Identity Insight」「IBM InfoSphere Global Name Management」「IBM Cognos Business Intelligence」「IBM SPSS Modeler」の5製品。
IBM Content Analyticsでは、捜査メモや日報などの構造化されていない情報を、テキストマイニング技術により分析に活用する。IBM InfoSphere Identity Insightは、膨大な捜査情報の中から人と人との関連性や情報の類似性をリアルタイムで分析する。IBM InfoSphere Global Name Managementは、IBM研究所における18文化圏、約10億件の人名を統計的および言語学的に分析した結果に基づき、異なる名前の表記から同一人物の特定や文化圏の特定を支援する。IBM Cognos Business Intelligenceは、複数の情報を視覚的に表現するダッシュボード機能を提供。IBM SPSS Modelerは、収集した捜査情報から犯罪の多い時間帯や場所、犯罪発生の傾向などのパターンをデータマイングの技術により抽出し、犯罪の予測や犯罪の発生を未然に防ぐ活動を支援するとしている。
犯罪を取り巻く環境は、巧妙化、広範囲化、犯罪者の組織化、国際化など大きく変化してきている。犯罪に関わる情報も広範かつ膨大となるとともに、犯罪捜査の過程で蓄積している各種捜査情報を部門横断に活用できる環境を整備する必要性が高まってきているという。一方、身近な犯罪やトラブルなどによって、社会不安が増す状況下、未然に犯罪を抑制することも警察機関の重要な役割となっている。
IBMでは、膨大な情報をビジネス分析に活用し、より確かな意志決定支援や新たなビジネス、サービスの創造を促進する「Business Analytics and Optimization (BAO)」を推進しており、今回発表した製品は、BAOにおける警察向けソリューションと位置づけられるという。