UTMにはどのような機能があるの?
当初、UTM製品といえば、ファイアウォール機能に侵入検知機能とアンチウィルス機能を追加して、ひとつのプラットフォームで提供できれば十分であると考えられていた。
しかし、それだけで新たな脅威に完全に対処できなくなってきたのは、先に説明した通りである。そこで、UTM製品ではURLフィルタリング機能やアンチスパム機能を加えて提供しているものが多い。それらをまとめてコンテンツフィルタリング機能と呼んでいる。
こうした機能をセキュリティの脅威という視点から見てみよう。まず、アドレス詐称などのスプーフィング攻撃やDoSなどのサービス不能攻撃に対処するのはファイアウォール機能だ。スパイウェアやトロイの木馬を含めたウィルスに対処するのがアンチウィルス機能、PtoPソフトウェアやサーバの脆弱性をつく攻撃には侵入検知機能で対処可能である。URLフィルタリング機能は、有害なサイトへのアクセスを遮断する以外に、フィッシング被害を防ぐこともできる。
機能が同じであればどのUTM製品も同じなの?
ファイアウォール機能、侵入検知機能、アンチウィルス機能、コンテンツフィルタリング機能が備わっていれば、どのUTM製品も同じなのか。それを知るために、UTM製品を提供しているベンダーを概観してみよう。
ベンダーは大きく3つに分けることができる。ウォッチガード・テクノロジーズ、ソニックウォール、ジュニパーネットワークス、チェックポイント・ソフトウェア・テクノロジーズなどのファイアウォールベンダー、インターネットセキュリティシステムズやシマンテックなどのIDS/IPS、またはアンチウィルスのベンダー、そしてフォーティネットなど、最初からUTM製品に特化したベンダーの3つだ。
ファイアウォールベンダーは、当然ファイアウォール機能に優れている。同様に、アンチウィルスのベンダーは、アンチウィルスの機能が強い。まず大きくはこの点にそれぞれのUTM製品の違いがある。
また、同じファイアウォール機能でも、アプリケーションゲートウェイ型、ステートフルインスペクション型に分けられ、一般にはアプリケーションゲートウェイは、処理は遅いがより安全だとされている。
同様に、同じアンチウィルス機能でも、ウィルスを定義しておくシグネチャーの数、未知ウィルスへの対応など、細かな点で違いがあるほか、ベンダー特有の機能が備わっている場合も少なくない。
以上のように、機能が同じでも、それぞれの製品によって違いがないわけではない。もちろん製品として出荷されているので、セキュリティに関して不備があるということはないが、実際にはどのようなセキュリティ問題に直面しているのかなどを検討した上で、必要に応じてそれに特化した製品を選択する必要がある。
UTMはどの程度普及しているの?
さて、果たしてUTMは普及しているのだろうか。それを知るためのひとつの話題として、チェックポイント・ソフトウェア・テクノロジーズがUTM市場に参入したことを挙げてみたい。
ファイアウォール市場を牽引してきたチェックポイントが、ファイアウォールに特化した企業イメージを変えようとしていることは、セキュリティ市場がファイアウォールからUTMへと切り替わっていることを示すひとつの指標といえる。実際に、IDC Japanが2006年11月に発表した2004年と2005年の市場比較では、ファイアウォール製品の出荷数が激減し、UTM製品が激増しているという報告もされている。
その発表の中でIDC Japanは、セキュリティアプライアンス製品の出荷数が2010年には現在の3倍になるとしている。その中でUTM製品の占める割合が、2005年の62.6%から2010年には90.3%まで拡大すると予測している。
高速インターネットが普及することで、サービスも豊富になり、ますますインターネットの利便性は高まっていくだろう。その一方で、新たな脅威も出現することはこれまでの例からも明らかである。その時に、既存のファイアウォール技術だけでは対処できないことも多くなる。侵入検知やアンチウィルス、コンテンツフィルタリングの技術のように、シグネチャーを利用して、動的に対処する方法は、今後もますます必要とされてくるだろう。
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