第1回でGoogle Web Toolkit(GWT)を用いたアプリケーション構築の全体的な流れを紹介したが、その中で国際化対応について少し述べた。それは、ソースコードに日本語が含まれている場合、文字コードがUTF-8でないとWebコンテンツが文字化けすることがあるというものだ。
Ajaxアプリケーションの構築においては、少なからず文字化けの問題に遭遇する。たとえばJavaScriptのXMLHttpRequestを用いたデータ通信では、文字コードをUTF-8に統一しておいたほうが良いといったことだ。GWTにおいても、この問題は避けて通ることができないのが実情だ。
そこで今回は、日本語を用いた国際化対応コンテンツを作成する方法を紹介したい。本当はすぐにウィジェットを表示させたいところだが、Webブラウザの表示が文字化けを起こしていては、全く意味がないからだ。見栄えのしないテーマではあるが、今後のためにここはお付き合い願いたい。
文字化けを改善する方法
先述の通り、表示内容に日本語が含まれたソースコードを作成する場合、文字コードをUTF-8にしておけば、手っ取り早く文字化けを改善できる。
図1と図2は、後述するコマンドにより生成された雛形に、同じ日本語を混ぜてみた例。筆者のWindows環境でソースコードをシフトJISで保存すると、図1のように文字化けしてしまう。これをUTF-8で保存すれば図2のように改善される。
国際化対応のインタフェース
そうはいっても、開発環境の関係などから文字コードをUTF-8に変えられないこともあるだろう。その場合は、プロパティファイルから各国語(ロケール)に対応したメッセージを取得するようにしなくてはならない。このあたりはJavaの国際化対応に似たところがある。
それとGWTとの違いは、メッセージに可変部分があるかないかによって継承するインタフェースが異なり、それぞれに対応するプロパティファイルが必要となること。そのインタフェースとは、以下の2つだ。
- Constants - 可変部分がないメニュー表示
- Messages - エラーメッセージなど、可変部分がある場合
(※どちらもcom.google.gwt.i18n.clientパッケージに属する)
ここからはConstantsの場合について、日本語をデフォルトロケールとするプロパティファイルの生成から、アプリケーションへの組み込みまでの手順を紹介する。