前回までに、IPアドレスとドメイン名をひも付けるための「DNSサーバ」の立ち上げを完了した赤井君と服部君。今回は、いよいよメールサーバの導入と設定を行います。お酒好きの先輩、南さんのレクチャーを受けつつ、いざ、「インターネット赤井酒蔵」始動! です。
メールシステムの4要素とは?
服部(以下:服):DNSの設定もなんとかできたし、メールサーバの設定を始めるぞ。
赤井(以下、赤):メールってどうやったら、使えるようになるの?
服:メールサーバには、「メールを配送するサーバ」と、「ユーザーがサーバに届いたメールを取りに行く時に処理を行うサーバ」がある。この2種類のサーバがお互いに連携することによって、メールが使えるようになるんだ。
赤:へぇ、そうなんだ。
先輩:調子はどうだ?
赤:あっ、南さん、お疲れ様です。
服:先輩、いいところにきてくれました。この間DNSの設定が終わったので、今日はメールサーバの設定をするところだったんです。また、ご教授ください。
先輩:しょうがない、今日も付き合うか。
服:ありがとうございます。早速ですが、MTAの選択しようと考えているんですが、どれがいいでしょうか?
赤:あのー、「MTA」って何?
先輩:MTAは、「Mail Transfer Agent」または「Message Transfer Agent」の略称でな、インターネットで電子メールを配送するソフトウェアのことだ。メールシステムは、以下のような感じで4つの要素に分かれているから、覚えておくといいぞ。
- MTA(Mail Transfer Agent)……クライアントから受け取ったメールを転送する処理
- MDA(Mail Delivery Agent)……届いたメールをメールボックスへ格納する処理
- MRA(Mail Retrieval Agent)……メールクライアントのメール取り出しを受け付ける処理
- MUA(Mail User Agent)……メールクライアント
先輩:RHELで使えるアプリケーションで代表的なのは、こんな感じだな。
- MTA……sendmail、Postfix
- MDA……procmail
- MRA……cyrus-imapd
- MUA……Thunderbird、Mozilla-mail
服:じゃあ、MTAはsendmailかPostfixですね。
先輩:そうだな。Postfixは、sendmailと比べると設定は比較的楽だな。細かい設定を必要としないなら、Postfixの方がおすすめだ。
服:今回は細かい設定は必要ではないし、Postfixにします。