Microsoftがオンライン技術サポートフォーラムのパイロットテストプログラムを開始した。有償で「独立系専門家」の支援を受けられるというものだ。
このパイロットプログラムを最初に報告したのは、Microsoft Most Valuable Professional(MVP)でありブロガーのManan Kakkar氏だ。Kakkar氏によると、同パイロットプログラムは現時点では「TechSupport Marketplace」と呼ばれているとのことだ。
Kakkar氏が引用しているMicrosoftの電子メールによると、TechSupport MarketplaceはMicrosoftの新しいウェブサイトで、「問題を抱えている顧客と、トラブルシューティングや問題解決支援のスキルと能力のある独立系の専門家」を結びつけるものとなる。「コンピュータ関連の問題を抱えている顧客をマンツーマンで支援した対価として、専門家は顧客から直接報酬を得ることができる」という。
TechSupport Marketplaceはフォーラム「Microsoft Answers」の発展版で、より深いレベルの専門知識や注目を必要とする顧客に回答や支援を提供することを目指しているようだ。
コンピュータに関連した質問がある個人ユーザーが新しいウェブサイトに質問を投稿すると、事前に選別された専門化コミュニティメンバーが支援提供や回答を申し出る。質問者は一定の時間枠で回答が必要かどうかを決定できる。支払いはPayPalなどの決算手段を利用することになる。
Kakkar氏の情報によると、Microsoftは「専門家」から、顧客仲介手数料などの料金を一切徴収しないという。新サービスの目標は、サポートコストを削減し「顧客が小さな問題でも修正できる」ようにすることだという。
現行のMicrosoft Answersフォーラムでは、ウェブサイト経由で質問を投稿したユーザーに対し、「Windows」「Windows Live」「Microsoft Security Essentials」に関連した情報を無料で提供している。Microsoftは2008年12月、「Windows Vista」関連の支援を提供する目的でMicrosoft Answersのベータ版を開始した。
オープンソースの世界では、SourceForgeが提供する「TechSupport Marketplace」がある。だが、SourceForgeのTechSupport Marketplaceは、ユーザーが一般的な技術支援を受けられるサービスというよりも、特定のオープンソースプロジェクトに関連してコンサルタントやサービス事業者が自社が提供するサポートやサービスのリストを掲示しているにすぎないようだ。
TechSupport Marketplaceのパイロット期間や正式版のローンチについての情報はない。現在、Microsoftに同パイロットの詳細や今後の計画について問い合わせているところだ。Microsoftから回答があれば、ここで紹介したい。
アップデート(12月19日):TechSupport Marketplaceについて、Microsoftから以下のような回答があった。
- パイロットプログラムの提供を開始したのはいつか?:TechSupport Marketplaceは米国時間2009年12月17日に英語版の提供を開始した。今後数カ月、限定的なパイロットとして提供して、顧客や専門家からのインプットを得るつもりだ。
- 現時点で同パイロットに参加しているのは?:まずは、Microsoft AnswersのWindows XPとVistaフォーラムで「Ask a Question」を訪問したユーザーを招待する。このパイロットは明らかに規模を限定したものであり、このパイロット中に顧客を支援する専門家はMicrosoftが選択する。
- ローンチはいつか?:パイロットを2010年春まで運用する計画だ。現時点では、正式なローンチ日は決定していない。
- 料金体系は?:パイロット期間中は、招待されたユーザーは無料で専門家の支援を得られる。この期間中、顧客よりサービスの価値に関するフィードバックを得る。
- Microsoftはどうやって専門家を選ぶのか?どのようにして、回答を提供する資格があると認定するのか?:パイロット期間中、Microsoftが選択したプロの専門家が顧客を支援する。サポートサービスは午前7時から午後5時の間、提供される。
- このサービスはMicrosoft Answersを補完するものとなるのか?2つのサービスの関係は?Microsoft Answersではカバーしないが、TechSupport Marketplaceではカバーする分野があるのか?:TechSupport Marketplaceは、顧客自らが必要とするサポートの種類を選択できるようにするという点で、Microsoft Answersを補完するものとなる。顧客が必要とすれば、これまで以上にパーソナライズされた経験や迅速な対応時間でのサポートを受けることも可能だ。Microsoftのサポート資産は、共有リソースを利用するもので相互関係がある。この最新サポート資産が顧客に受け入れられ、無料で管理されていないフォーラムをベースとしたMicrosoft Answersと、正式なMicrosoft Supportとの中間のサービスを望むユーザーを支援できると期待している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ