前回は、トヨタ自動車とGoogleの謝罪から学ぶAccountability(説明責任)の話をしましたが、トヨタの対応はさておき、今回マスコミや政治家のトヨタに対する発言もかなりきついと感じていませんか? グローバル企業で働いたことがある人なら、誰しも日本企業にはありえないひどい言葉を耳にしたことがあるはずです。日本では、あれほど面と向かってズバっと物言いをすることはあまりないためか(裏ではいろいろあるようですが)、アメリカ人に厳しい言葉をズバっと言われ、ひるんでしまう日本人も少なくないでしょう。
色々なメディアを通して配信される厳しいお言葉も、グローバルな感覚をつかむためには重要な勉強になります。きれいな言葉だけでなく、こういったキツイ言葉もチェックしておくと、言われた時はもちろん、反撃する時にも使えますので、是非チェックしておきましょう。
クラウドコンピューティングに対するキツイ表現
今日は皆さんにおなじみのクラウドコンピューティングを例にキツイ表現をチェックしてみましょう。
ここ数年話題になってきたクラウドコンピューティング。なかなか腰の重い企業向けシステムに対し、TwitterやFacebookに代表されるReal Time Webの世界が一気にクラウドコンピューティングを後押ししてくれそうな気がしていますが、やはりバズワード的な扱いは否めません。クラウドコンピューティングについての詳細は、ぜひ私の著書「クラウドコンピューティングの幻想」(技術評論社)を読んでいただきたいのですが、今回のテーマは別なので脱線は控えましょう。今回は、クラウドコンピューティングにまつわる過激な発言を見てみましょう。
クラウドコンピューティングに対し、Free Software Foundation(FSF、フリーソフトウェア財団)の創設者でフリーソフトウェアの啓蒙者であるRichard Matthew Stallman氏は次のように言い放ちました。
It's stupidity. It's worse than stupidity: it's a marketing hype campaign (2008年9月29日 The Guardianより)
Stallman氏は過激な発言で有名ですが、「worse than stupidity」とはすごい表現ですね。「It's stupidity」の後に、同じ表現をさらにひどくして「It's worse than stupidity」と重ねて言うと、相手にかなりインパクトを与えます。もしこんなことを言われても気にしないようにしましょう。それから、Hype(誇大広告、いんちき)もこの手の発言にはよく使われる単語です。ぜひ覚えてくださいね。