みなさんこんにちは! マイ・カウンセラーの田代です。不安や悩みを自己解決するメンタルテクニック。前回は、どんな小さなことでも人の心を動かすということは、人間社会で生き延びるための初めの1歩というお話から、人間の持つ5つの欲求について触れました。今回はその5つの欲求について、もう少し具体的にお話ししたいと思います。
アメリカの心理学者Abraham Maslow(アブラハム・マズロー)が唱えた「欲求5段階説」は、以下の5つになります。
- 生存の欲求
- 安全・安定の欲求
- 愛・所属の欲求
- 承認の欲求
- 自己実現の欲求
これらの欲求を簡単に説明したいと思います。ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、ちょっとお付き合いください。
1. 生存の欲求
これは生きたいという気持ちですね。人として最も原始的な欲求です。本能的な睡眠や食欲、性欲などもここに入ります。しかし、それ以前に最近は、単に生きたいという気持ちさえ弱くなっている人が多いように思えます。先日、2008年の日本での自殺者数が発表されましたが、11年連続で3万人を超える3万2249人となりました。異常ですね……。
弊社のサービス、マイ・カウンセラーにも「生きる意味がない」「生きていてもつまらない」「人生に疲れた」などと悲観的な相談が寄せられます。そういう気持ちになるまでの間に少しずつ、思いどおりにならないことや不満が積み重なっているのだと思います。なんとかしなければ……。
2. 安全・安定の欲求
人は、衣食住が満たされていれば、とりあえず安定しています。安定は、すなわち安全にもつながりますね。危険なことがないから安定しているのですから。昨今の派遣切りに関しては、安定が確保ができないため問題になっているのです。予期せずして仕事の期限が決められ、その後場合によっては住むところも奪われてしまう。仕事がなければお金も入らないので、食べ物も買えない。安全どころではなく、安定さえできない。これが続けば、原始的な生存の欲求も脅かされることになります。
3. 愛・所属の欲求
生きることができ、安定したところにいると、人間は「人に愛されたい」「何かのコミュニティに所属したい」といったことを考え、より安定した精神状態を求めます。しかし、現代社会はこの部分も危ういのです。愛されたいのに愛されるという実感がない。コミュニティに属したいのに引っ込み思案で所属する場所がない。だから欲求不満になるわけです。この欲求不満は人間としてまっとうな感覚です。ただその欲求を満たす、もしくは解消する手段がわからないところに問題があります。