不況が突きつけたCIO本来の役割--CIO Comes Around

原田龍一(クニエ)

2009-10-09 20:11

 ZDNet Japan読者の皆さん、こんにちは。クニエ マネージングディレクターの原田龍一です。本連載「CIO Comes Around」では10回に渡って日本の企業や団体のCIOを取り巻く現状を整理し、さまざまなテーマのもと、CIOの現在と未来について提言します。

 さて、筆者はSI企業でシステム運用と構築を10年強経験し、その後コンサルティング業界で10年ほどISおよびIT部門の問題解決支援を行っています。この中で得た経験やお客様との対話の中から、できるだけ現実的な問題を取り上げていきたいと思います。

不況が迫る「コストカット」から見えてくるもの

 さて、言うまでもなく現在は「不況」のまっただ中。民間企業の情報システム部門では、外注および派遣切りや残業禁止令などで「コストカット」を図る会社が多くなっています。また、今年の春頃には新規投資の多くが凍結され、減らせるものは何でも減らそうという風が吹き荒れました。

 皆さんの会社でもコストダウンに関わる構造改革が検討されませんでしたか?例えば次のような施策です。

  • システム開発や維持メンテナンス、プロジェクトマネジメントの内製化
  • ハードウェアやソフトウェア資産の統合と整理
  • アウトソーサー、システム開発ベンダーとの契約見直し
  • IT子会社のあり方の検討
  • システム導入の効率化

 ……皆さんお気づきでしょうか。これらの項目は、CIOが常日頃から検討しておくべき事柄であることを。

目先の仕事にとらわれ続けるCIO

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