「Javaの生みの親」として名高い、Sun MicrosystemsのJames Gosling氏が、6日から3日間に渡って行われた「Sun Tech Days 2007 in Tokyo」のために実に4年ぶりに来日した。それにあわせて行われたプレスラウンドテーブルの場で、同氏がフォーカスしている技術や、Javaやその周辺コミュニティを取り巻く状況、それに対するSunの関わり方などを聞いた。
特にフォーカスしているのは「JavaFX」
同イベント初日の基調講演の中でGosling氏は、個人的に最もフォーカスしているのは今年5月のJavaOne Conferenceにおいて発表された「JavaFX」だと語っている。JavaFXは、PCや携帯端末、セットトップボックスなどをターゲットにしたSunの新しいソフトウェア製品ファミリであり、Java SEをベースとしたリッチなコンテンツをあらゆる環境に搭載できるようにするというもの。その第一段として、リッチコンテンツ作成のためのスクリプト言語「JavaFX Script」がβ公開されている。
同氏は、「すでに世界中の開発者がこの新しいプラットフォームの上で動作するコンテンツの作成に着手しており、実に興味深いものが多数生まれている」と語る。では、Gosling氏自身が最も作りたいと思うものは何か。
「最初にひとつ作るとしたら、おそらくスライドショーです。自分の仕事の中でよく使うものなので。他にも、JavaFXはリッチなインターネットアプリケーション向けと言っていますが、私はデスクトップ用途でもいろいろと面白いことができると思っています。シンプルなユーティリティで様々なことができるので、非常に興味深い試みができると思います」
もっとも、現在のところGosling氏はコードを書くことよりもJavaFXに関する様々な議論への参加に忙しいという。
「JavaFXの開発には非常に多くの人々・チームが参加しています。たくさんのピースがあるので、それらがうまく組み合わさるように各チームと日々議論を重ねています。もちろん課題はたくさんあります。技術的な問題だけでなく、人間関係の問題やライセンスなどの法的な問題などにも直面します。しかしその答えを探すことが楽しいわけです」