ユーザー企業が中心となって開催される「Teradata PARTNERS 2010」の基調講演で米Teradataの社長兼最高経営責任者(CEO)のMichael Koehler氏は、2010年上期の業績が過去最高の記録を達成したと説明している。同社の状況やデータウェアハウス業界などについて話を聞いた。
100%データウェアハウスに特化
――従業員の50%がコンサルティングに従事しているというのは驚きだ。
Koehler TeradataがOracleやIBMと違うところとして100%データウェアハウスに特化し、企業の意思決定を支えているということがある。当然、組織構成も異なってくることになる。
データウェアハウスでは、データモデルの構築が重要だ。OLTP(オンライントランザクション処理)のデータベースとは作りが異なる。データモデルが正しく構築されること、データアーキテクチャが適切であることがデータウェアハウスの重要な点となる。データモデルが正しく構築され、データアーキテクチャが適切であれば、Teradataのデータベースの機能をフルに活用できる。
Teradataが提唱する、企業全体の情報を一つに統合して全社的な意思決定を支援するためのエンタープライズデータウェアハウスの基盤は、Teradataのメソドロジーに基づくものだ。
そこでは主に3つのコンサルティングが重要になっている。技術面で支援するテクニカルコンサルタント、データを統合するためのソリューションコンサルタント、データウェアハウスを活用するのにノウハウを提供するビジネスコンサルタント、これら3つのコンサルティングだ。こういったコンサルティングを提供するために、グローバルに展開するSIerと幅広く提携しようと考えているところだ。
全社規模で活用するデータウェアハウスには大きな価値がある
――データウェアハウスの分野では、アプライアンスを提供するNetezzaがIBMに買収され、Oracleが新しいExadataを市場に投入している。そうした状況でTeradataの優位性はどこにあるのか。
Koehler Exadataは一言で言えば、ハードウェアをパッケージ化してI/O性能やスピードなどの性能が出るような作りにしたものだ。
Netezzaはわれわれと同じようなことをしているととらえられており、データマートの性能を向上させているといえる。データマートは1つか2つのアプリケーションが稼働する環境を提供するが、提供する機能は限定的なものだ。
データウェアハウスでは、複数のユーザーや複数のアプリケーションで生成される、さまざまなワークロードが実行されるが、そこでは混合ワークロード管理が重要になってくる。データマートでは機能が限定的であり、複雑な混合ワークロード管理ができない。格納できるデータの容量が大きいといっても、同時利用ユーザーの多さや混合ワークロード管理、多数のアプリケーションに対応できるわけではない。