データウェアハウスソフトウェアの専門企業Teradataは、ビジネスインテリジェンスのベンダーであるSASとの戦略的提携を発表した。テラデータは、米国時間10月1日にニューヨーク証券取引所に上場したばかり。
この提携により、共同研究拠点など、両社の製品の技術統合がさらに進み、またマーケティングおよび営業活動の共同化による効果が得られるだろう。ラスベガスで7日から開催されていたTeradataのユーザーグループカンファレンスPartnersで、両社はこのように述べた。
将来、SAS BI(ビジネスインテリジェンス)ソフトウェアはTeradataのエンタープライズデータウェアハウス環境の中で動くことになるが、この形での運用はしばらく前から一部の顧客で実現されている。
これについて、SASのシニアバイスプレジデント兼最高マーケティング責任者であるJim Davis氏は、「共同という点では、誰も予想しなかったほどの成果を上げている」と述べた。
たとえば、Warner Home Videoの場合、両社が協力した結果、従来36時間かかっていた予測モデルの実行が1時間半足らずでできるようになったという。
市場調査会社IDCのビジネス分析担当バイスプレジデントであるDan Vesset氏は、「競争関係にあったこの2社の提携の場合、それぞれの強みを生かすことができるだろう。データベース上での分析は、ビジネス分析ソリューションの効率と効果を上げるための鍵だ」と述べた。
両社共この分野での他社との提携は維持したいとし、SAPがBusiness Objectsを買収するような状況から、提携の重要性はさらに高まっていると述べた。
Teradataは、このほか、Teradata 12、Teradata Relationship Manager Version 6、データ管理とデータウェアハウスのサポートサービスも発表した。
Teradataは独立系ベンダーとして出発し、NCRの一部門となった。独立系ベンダーとして初めてのIPOを実施したのは、ほぼ20年前のこと。そして今、Teradataは再び上場した。
記者会見の場にたったTeradataの最高経営責任者Mike Koehler氏は、分社した理由の一つとして両社が「基本的に異なる」タイプの企業だったことを挙げた。Teradataはデータウェアハウスを中核とする企業であり、一方、自身も1990年代の一時期にAT&Tの一部門になったNCRはセルフサービスで知られる企業だ。実際、NCRは銀行ATMの大手である。
大魚に飲み込まれる、あるいは自ら大規模な買収を試みるという可能性は少ないと、同氏は繰り返し述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ