日本IBMは2月16日、日本取引所グループ(JPX)と共同で低トランザクションの株式などの市場を想定したブロックチェーン技術に関する実証実験を3月から支援することに合意したと発表した。ブロックチェーンは、取引記録や資産登録簿などのデータを分散型ネットワーク上の参加者が安全に共有し管理する分散型台帳技術であり、低コストでの構築運用が可能と考えられている。
ブロックチェーンはより多くの取引参加者に対し、低コストで効率的な取引の仕組みを実現できる可能性があり、さまざまな企業や団体で実証実験が展開されるなど、関心を集めている。
日本IBMはJPXと共同で、ブロックチェーン技術の特性を長短所の両面から把握し、ブロックチェーン技術の評価と低コストでの運営可能性を検証するとした。
この実証実験では、業界標準として広く普及する可能性や、各種認証方式やプライバシー要件、複数資産カテゴリ、複雑な業務処理への適用を勘案し、オープンソースの標準化団体であるLinux Foundationが中心となって進める「Hyperledger」のフレームワークを利用予定としている。
今回の実証実験で日本IBMは、東京基礎研究所を含むIBM Researchとの連携や、金融機関を含む60社超のグローバルでの顧客との検討実績などネットワークを生かした支援を推進していくと説明している。