「2008年にプロセッサの生産ユニット数を1億に」--生産技術の優位性を強調するAMD

藤本京子(編集部) 2006年04月18日 19時32分

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 日本AMDは4月18日、同社のプロセス技術や製造能力向上のための戦略説明会を開催した。米国より来日したAMDの製造・テクノロジ担当シニアバイスプレジデント Daryl Ostrander氏は、「AMDは新規に施設を立ち上げることなく、既存施設の拡大だけで生産能力を倍増させる。これにより、2008年にはプロセッサの生産ユニット数が2005年の倍の1億ユニットとなる」と述べた。

 AMDが数少ない工場で高い生産能力を実現できるのは、「Automated Precision Manufacturing」(APM)、「Continuous Transistor Improvement」(CTI)、「Shared Transistor Technology」(STT)という製造技術での差別化ポイントがあるためだ。このそれぞれについて、日本AMD 品質保証部 部長の鈴木屹氏が説明した。

AMDの製造技術の優位性について説明する日本AMD 品質保証部 部長の鈴木屹氏

 APMとは、フロントエンドとバックエンドを効率よくつなぐAMD特有の技術で、自動化された意志決定機能の役割を果たしている。APMの枠組みは、設備性能の最適化や製品性能の目標設定、製造工程管理、統合生産計画、歩留管理システムから成り立っており、統合されたアルゴリズムに基づく分析で「単なる自動生産管理システムを上回る機能が備わっている」と鈴木氏。例えば、生産歩留まり向上のため、プロセスのパラメータを自動的に修正したり、顧客ニーズが変わるとプロダクトミックスを自動的に変動させたりできる。

 鈴木氏は、APMのビジョンについて、「技術開発からウエハ工程、後工程、配送まで、作業の終始を完全に同期化することで、自社管轄以外の施設も含め、総合的な作業効率化を実現する」としている。AMDでは、同社が契約するファウンドリの1社であるシンガポールのChartered Semiconductor ManufacturingのFab 7にもAPM技術を移植している。

 CTIとは、継続的にトランジスタを改良することを意味する。現行の90nmプロセスでも、四半期ごとにリスクの少ない変更をトランジスタ構造に実施し、トランジスタ性能と電力効率の向上を図っている。

 STTとは、トランジスタ技術の共有化を意味し、90nmと65nmプロセスにて同じトランジスタ技術を利用することだ。これは、CTIによってトランジスタ技術を常に改良しているからこそ実現できる。改良を加え続けた90nmプロセスのトランジスタは、65nmのトランジスタにそのまま移行が可能となり、移行のリスクが低減される。

 鈴木氏は、「APM、CTI、STTを連携させ、複合的に管理することで、最新技術への移行が迅速に実現できる」とアピールしている。

 同氏は、AMDがある重要顧客からAMD 64マイクロプロセッサの注文を受けた際、顧客ニーズに短期間で対応できた例を挙げた。「当初70万個の受注だったが、同四半期内にその数が100万個になる可能性があると伝えられた。それが最終的には120万個となったが、他の製品とのミックスでその四半期内に全量納品した」(鈴木氏)

 一方Ostrander氏は、AMDとIBMとの技術契約について触れ、「共同開発の目標に向け、着実に成果を上げている」とした。両社は、将来技術の開発への基礎研究も含め、2011年まで契約を延長しており、現在65nm、45nm、32nm、22nm世代の技術に共同で取り組んでいる。

 なお、AMDでは現在90nmプロセスでの生産を行っているが、2006年下半期に65nmプロセスでの生産を開始し、2007年中には完全に65nmプロセスに移行する。45nmプロセスでの生産は、スケジュール通り2008年中に開始するとしている。

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