ITサポートがユーザーに教えておくべき基本十則 - (page 2)

文:Becky Roberts 翻訳校正:吉井美有

2006-08-29 10:00

#5:PCを社外で使う際に安全を心がけるよう習慣づける

 ノートPCやPDAなどのデバイスを社外に持ち出す際には、承認外のアクセスを防ぐために普段以上の用心が必要だ。ユーザーは社外でデータを守る方法を知っておく必要があり、適切なツールを利用する必要もある。例えば、リモートアクセス用のトークンをPCと同じかばんに入れて持ち歩かない、アクセスコードやログイン名、パスワードを書き留めない、機密データは暗号化するかリムーバブルデータストレージに格納してPCとは別に持ち運ぶ、PCを置いたままその場を離れない、PCは使用していない間ロックする、といったことが挙げられる。

 なお、ノートPCユーザーに対して、ノートPCをバタンと閉じる前にすべての固い物(たいていはペン)をどけておくことを忘れないようにしてほしいと、念を押すよい機会でもあるということを補足しておきたい。

#6:データの喪失を防ぐ

 ユーザーは、バックアップが魔法で実現されるわけではなく、バックアップ前に削除したファイルをリカバリできない場合もあると知っておく必要がある。個人ユーザーは大半の環境において、自らのデータを、それが個々のファイルであろうとアプリケーション内に存在していようと、定期的にバックアップする責任の一端を担わなければならない。ユーザーはどのようなデータをいつバックアップすべきかを知っておくべきであり、存在する場所にかかわらず自分が作成・修正したファイルがすべてバックアップされるだろうと単純に想定すべきではない。これは、ノートPCやリムーバブルドライブ、あるいはその他のモバイル機器を利用するユーザーに特にあてはまる。バックアップが定期的に行われることをユーザーに意識させることはまた、バックアップとして保存される、仕事に関係のない個人的なファイルの数が減るという好ましい副作用をもたらす場合も多い。

#7:利用ポリシーを遵守する(自分用のPCだからといって、ポルノ画像をWord文書として隠したり、Dr.Seussのゲームをインストールしたりするのはよくないことです…)

 (…それがたとえ、あなたの5歳になる子どもが週末に遊べるようにという目的であり、月曜日に出社するまでに削除しておいたとしてもです。)会社のITリソースの個人的な使用に関しては、大半の企業が受認できる利用と受認できない利用を定義した何らかのポリシーを定め、多少の差はあってもそれを厳しく適用している。一般に、こういったポリシーは企業を訴訟から守り、ITインフラの完全性を保つために定められている。このようなポリシーを有意義なものとするためには、それを環境に合ったものとし、明確に伝え、違反者への対処を明文化しておかなければならない。

 ポリシーの厳しさや内容にかかわらず、IT担当者は、ポリシーに違反することは許されず、IT担当者を馬鹿にするような卑劣なやり方は特に許されないということをユーザーに知っておいてもらいたいと思っているはずだ。ユーザーはポリシーを知っておくだけではなく、違反の試みを検知する対策がIT担当者によって実施されているということも知っておく必要がある。IT担当者はポリシー遵守に関して警察の役割を果たすことなど望んでいないものの、会社のネットワークと自らの仕事を守らざるをえないのだ。

#8:電子メールの送信に注意を払う

 うっかり電子メールを本来の受信者ではない人(人々)に送信してしまったから取り消してほしいとあなたは何度頼まれたことがあるだろうか?誤った宛先に送信された内容として、わたしはこれまでに解雇通知や昇給拒否、女友達のとても個人的な医療情報(宛先はユーザーの妻)、非常に危うい画像(宛先は人事担当の役員)といったものを見聞きしたことがある。組織の電子メールポリシーがどのようなものであろうと、ユーザーにこういった危険を認知させ、適切な注意を払うよう教えておく必要がある。これには、「全員に返信」をクリックする前に考える、「送信」をクリックする前にアドレスをもう一度確認する、仕事に無関係のメッセージには企業の電子メールシステムを使わないようにする、そして電子メールのメッセージは封書ではなくはがきなのだと常に考える、といったことがある。

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