MIJS企業訪問(第10回)クオリティ--MIJS設立の背景にあった「世界へ行きたい」という思い

宍戸周夫(テラメディア) 2007年10月03日 16時00分

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ソフト会社へ変身

 クオリティは、IT資産管理やPC構成管理分野のリーディングカンパニーである。しかし、当初この分野への参入は意図したものではなかった。創業は1984年。もともとは翻訳やコンピュータマニュアルの制作などを行っていた。その業務の一環でソフトウェアの日本語化も請け負っており、1992年にアップルコンピュータからソフトウェアの日本語化を依頼された。そのソフトが、同社をソフトウェアメーカーに転身させるきっかけとなった「KeyServer」である。

 KeyServerはソフトウェアのライセンスを管理する製品で、管理下のソフトウェアを同時に使えるPC台数を制限できるため、ソフトウェア会社にとっては、同時使用ライセンスという形でソフトウェアを販売できる。一方、ユーザー側にとっては、ソフトをインストールするPC台数分のライセンスを購入する必要がないというメリットがあった。

 しかし、当時のMacintoshは、ソフトウェアのデータをコピーするだけで、不正にソフトウェアの利用ができてしまい、ソフトウェア不正コピーの温床となっていた。困ったアップルは、日本語化を依頼したクオリティに「ソフトウェアの日本語化のみならず、販売もして欲しい」と声をかけてきた。社長の浦聖治氏は悩んだ。

 「しばらく考えました。しかし、この製品は時代の流れに合っていると思いました。これからは、知的財産を守っていかないと日本のソフトウェア産業は発展しない。それで販売に踏み切りました」。1993年10月のことである。それを機に、クオリティは翻訳会社からソフトウェアメーカーに変身した。

 「KeyServerの仕組みはクライアントに小さなモジュールを入れるのですが、そのモジュールをフロッピーディスクで配るというものでした。しかし『インストールするPC台数が多くなると作業が大変なので何とかして欲しい』といった要望に応え、リリースしたのが、現在の主力商品IT資産管理・PC構成管理ツールQND Plusなのです」

 QNDはQuality Network Distributorの略で、もともとはKeyServerのモジュールをクライアントPCに「ネットワーク(Network)」を通じて「配る(Distribute)」ために開発した。それを販売代理店や顧客からの要望に基づき、ソフトウェアのインベントリを取ってインストール状況をすべて把握することでライセンス管理をできるように機能拡張、さらに、ソフトウェアを動作するのに必要なハードウェアスペックが足りているかを把握するためにハードウェア・インベントリを追加、PC利用者へのヘルプデスク業務のためにリモート・コントロール機能なども追加。QNDにPlusを付けて商品化した。現在、300万クライアントほどのユーザーを抱えている。

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