「リスクをとる」時に心にとめておきたい10のこと - (page 2)

富永恭子(ロビンソン)

2010-12-08 09:00

#4:事後報告の方が許されやすいケースもある

 すべてを支配したがる人間でない限り、上司は小さな決断のためにいちいち相談しろとは言わない。むしろ、特に重要でないことは、なんでもかんでも相談してくるのではなく、自分で判断する自発性を持ってほしいとも思っている。それに、相談されていったん許可を出せば、その責任は上司にもかかってくる。何かをやる場合に事前に許可を得ようとすると、何かと手続きが面倒になるのは、この「責任を持つ」というリスクがあるからだ。

 もちろん、相談せずにやって失敗したら元も子もない。独断で実行した人間の責任も倍付けだ。しかし、許される範囲で、十分な根拠があるアイデアがベースにある場合、つまり「自分の責任範囲で、想定されるリスクに対処できる」ことが明らかなケースならば、実行に移すべきだ。

 事後であっても、報告は怠るべきではない。自分が責任を持って仕事を進め、成果が出たのであれば、上司にとっては時間の節約になるわけで、許されるケースも多い。また、うまくいけば自分の自信になると同時に、仕事の手腕を周囲にアピールできるというリターンもついてくる。

#5:仕事や生活のスタイルを変えてみる

 普段の生活の中で身につけたクセや方法のほとんどは、自分に悪い影響をおよぼすものではない。しかし、なかには自分の邪魔になるものが混ざっていることもある。より良い方法が別にあるのに、「いつもそうしている」という理由から古い習慣に固執してしまうケースだ。

 仕事のスタイルを変えることは、能率を向上させるひとつの方法だ。古い習慣を捨てる勇気を持てば、仕事だけでなく生活もいい意味で大きく変化するかもしれない。また、いつも自分を見つめ直して変えることを習慣にしていれば、大きく賭けにでるときでも、すぐに体制を整えることができる。

#6:自分自身の概念を壊してみる

 高いところが怖いと思っている人に、「この木の枝の先に美味しい果物があるから、登っていって採ってきてくれ」とハッパをかけても意味はない。同様に、リスクをとることをできる限り避けたい性格の人というのも少なからず存在する。

 しかし、それでもなお、リスクをとらざるを得ない状況がやってきたとしよう。状況を受け入れるためにまずできることは、得られる可能性がある「リターンの価値」を正しく評価し、自分自身で納得することだ。さらに、リスクをとるという考えになじむための策として「自分の概念を壊す」勇気を持ってみることだ。頑固に守ってきた自分の習慣や価値観を一度、壊してみることで、今までにはなかった新たな評価軸が自分の中に生まれるかもしれない。

#7:過去の失敗や努力を見直す

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