2:ターミナルの履歴
ターミナルウィンドウを開き、上向き矢印キー(↑)を押下してみてほしい。すると、今までに実行したコマンドが遡って表示されていくはずだ。これがbashの履歴機能である。この履歴には、あなたの実行した一連のコマンドが保持されているため、実行したいコマンドが表示されるまで矢印キーを何度も押下した後、Enterキーを押下すれば該当コマンドが再実行されるようになっている。少なくとも筆者の使用しているディストリビューション(Ubuntu)では、デフォルトで直近のコマンドが1000個まで保持されるようになっている(訳注:デフォルトは環境によって異なる)。なお、この値は「~/.bashrc」ファイルを編集することによって変更できる。「export HISTSIZE=1000」という行を探し出し、希望する値に変更すればよい。
3:Tabキーによるコマンド入力補完
これは、とても重宝する素晴らしいティップスである。コマンド名の最初の数文字は覚えているものの、正確なコマンド名を失念してしまったという場合、覚えている範囲で文字を入力した後、Tabキーを押下すればよいのだ。するとbashが合致するコマンドを探し出し、スペルを補完してくれるというわけである。候補となるコマンドが複数存在している場合には補完表示が行われないため、その時はTabキーをもう1度押下すると、候補となるコマンドが一覧表示される。ただし、候補となるコマンドの数が多い場合には、それらすべてを表示させるかどうかが照会される。このティップスは、正確なコマンド名を思い出せない場合や、長いコマンド名をそのまま入力したくないという場合に重宝するだろう。例えば、GNOMEの「コントロール・センター」を起動するコマンドが存在すると分かっているものの、正確なコマンド名が思い出せなかったとしてほしい。そういった場合、コマンドが「gnome」で始まると分かっているのであれば、「gnome」と入力してTabキーを2回押下すればよいわけである。すると「gnome-control-center」を含むたくさんの候補が表示される。その中からお目当てのコマンドを探し出せばよいというわけだ。
4:複数コマンドの同時実行
アプリケーションをコンパイルする際、複数のコマンドを同時に実行できれば便利なはずだ。「./configure」を実行し、その終了を待った後で「make」を実行し、その結果を見て「make install」を実行するのではなく、以下のようにまとめて実行することができるのである。
sudo ./compile && make && make install
ここで「sudo」コマンドに着目してほしい。このコマンドが必要となる理由は、「make install」コマンドの実行によって、実行可能ファイルが適切なディレクトリ(通常は「/usr/bin」「/usr/sbin」「/usr/local/bin」のいずれか)にコピーされるものの、たいていの場合にはその際にコピー先ディレクトリに対する書き込み権限が必要となるためである。なお、「compile」や「make」にオプションが必要であれば、それらももちろん指定することができる。