SAP エンスリン氏「日本は知の経済への移行を進めよ」 - (page 2)

末岡洋子

2011-07-04 12:00

クラウドへの取り組みではパートナーに注文も

 オンデマンド(クラウド)分野では、営業向けコラボツール「Sales OnDemand」を発表したほか、9カ国で展開中の「Business ByDesign」もスポットがあたった。Sales OnDemandは人中心のデザインなどを特徴とし、「単なるSFAではない。SNSの要素を取り入れた画期的な製品になった」と自信を見せる。

 Business ByDesignは今年、目標を達成できる見込みというが、日本市場への投入時期は「未定」とのこと。まずは英語圏、スペイン語圏、中国語圏をターゲットとしているという。

 「パートナーからの反発を感じているか?」との質問には、「Business ByDesignのパートナーモデルは、どうやって付加価値を与えていくか」との回答。

 「Business ByDesignを導入する顧客は、全体をアウトソースしたいと思っている。サービス、新しいアプリケーション、モビリティなど、価値を付加するチャンスがあるし、顧客もそれを望んでいる」

 このような付加価値市場は今後「大規模になる」と成長を予想する一方で、一部のパートナーにとっては意識面で変わる必要があるかもしれないと見る。「現実を認識し、違う方法でビジネスをする必要がある」とEnslin氏は言う。

モバイル分野では日本市場に期待

 モビリティはインメモリと同様、新しい取り組みになる。買収したSybaseの技術が中心となり、「パイプラインから見て、強い需要があることがわかる」とやはり自信を見せる。

 Enslin氏はここでも日本市場に期待している。

 「日本はモバイルインフラがしっかりしており、モバイル決済など高度な利用も進んでいるので、受け入れが早いのでは」とEnslin氏。

 「Sybaseのソリューションを統合し、通信事業者側、端末メーカー側と協業していく。これにより、いままでとはまったく違うビジネスの方法を可能にする」

 Sybaseとはまた、Sybaseのデータベース「Adaptive Server Enterprise(ASE)」上でSAPのERPを動作させる計画も発表している。これも日本市場で提供予定だという。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

マイナンバーカードの利用状況を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]