SAPはERPカンパニーではない
「SAPはERPカンパニーではない。分析、モビリティ、データベース――さまざまなソリューションを持つ」とEnslin氏は強調する。
これまでとは提供方法が異なるオンデマンド(クラウド)により、SAPもビジネスのやり方を大きく変えている。従来の直販主体の営業に加え、チャネル戦略を強化しているという。
これにあわせ、営業チームも業務アプリケーションに加えてOEM部隊を作った。富士通やNECなどのハードウェアベンダーと協業するもので、取り組みを拡大中という。パートナー戦略では、モビリティ分野でAccentureとの提携を発表、今後も増やしていくという。
「顧客に複数の選択肢を提供する。直販はハイタッチが必要な製品用で、ハイタッチを必要としない製品は直販以外で提供する。顧客は効率のよいチャネルから購入できる」とEnslin氏。アプリストアのような感覚で、セルフサービス形式で手に入れたいような顧客もいるのではないか、と見る。
Enslin氏によると、複数の販売チャネルを持つことは自社へのメリットも大きいという。「市場までのコストを効率化できるし、イノベーションや最新の技術、ソリューションを提供するスピードも調整できる」からだ。2年前に比べると、新機能を提供する速度は圧倒的に短縮されたという。今後は直販以外が増えると予想するとともに、PaaSに拡大することもあり、「開発者にも参加しやすいようにしていく」と付け加えた。