この中核製品を想定して、クラウド化が進むとハイエンドUNIXサーバの役割が限定されるのではないか、との筆者の質問に、三瓶氏が答えたのが冒頭の発言である。同氏はハイエンドUNIXサーバの役割が大きくなっていく理由を、「例えばデータ分析などは、幅広い分野でデータ量が急増する一方で、一段と高度な分析が求められるようになる。そうした処理には、ハイエンドUNIXサーバが不可欠だ」と説明した。クラウド環境ではx86サーバがますます主流になるとのイメージがあるが、どうやらハイエンドUNIXサーバもまだまだ健在のようだ。
「HP Insight OnlineはHPのハードウェア製品群の管理に関わる中核サービスとして、競合他社との大きな差別化ポイントになる」 (日本HP 橘一徳 統括本部長)
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が10月11日、ハードウェアのインフラ管理用クラウドポータルサービス「HP Insight Online」の正式サービスを開始したと発表した。同時に主力のx86サーバ「HP ProLiant Generation 8(以下、ProLiant Gen8)」のラインアップの拡充も発表した。
日本HPの橘一徳 統括本部長
同社エンタープライズインフラストラクチャー事業統括サーバ&ネットワーク製品統括本部 統括本部長である橘氏の発言は、その発表会見で、HP Insight Onlineの優位性を強調したものである。
ProLiant Gen8は、ハードウェアと管理情報ポータル、保守サービスを一体化し、導入から監視・運用・保守に至るライフサイクル全般におけるサーバ運用管理を「自働化」することをコンセプトとしたx86サーバで、今年3月に発表され市場投入されたHPの主力製品である。
この自働化コンセプトの中核機能を担うのがHP Insight Onlineだ。具体的には、HPサポートセンターのWebサイトにおいて、HP通報サービスで収集された機器の構成情報・ヘルスステータス情報やHPの標準保証・保守契約情報などを集約して一覧表示することができるものである。
さらに、同サービスはProLiant Gen8だけでなく、ProLiant Gen4以降、UNIXサーバ「HP Integrity」、ブレードサーバ「HP BladeSystem」、FC/iSCSI SAN対応のストレージ「HP P2000/P4000/P6000」、HPネットワーク製品、HP UPS、テープライブラリといったHPの幅広いハードウェアに適用できるという。
橘氏はこうした特徴をとらえて、冒頭のように語った。さらに、競合他社と比べてどれくらい優位性があるのか、との筆者の質問に、同氏は「私たちが知る範囲では、これだけの機能レベルのポータルサービスを無償で提供している競合他社は存在しない。HP独自のサービスであり、ハードウェアのインフラ管理に対する効果として競合他社を圧倒的にリードしていると自負している」と胸を張った。
この自働化コンセプトについては、 ProLiant Gen8が今年3月に発表されたときに説明を聞いていたが、今回いよいよ本格的に動き出した格好だ。自働化という言葉は、まさしくサーバ運用管理の最先端を行くキーワードになるだろう。
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