富士通「SPARC M10」は「どんと来い!マシン」(前編) - (page 3)

三浦優子

2013-02-14 17:59

大規模システムの初期投資を最少化しサイジングリスクも解消

 SPARC M10は、「CPUコア アクティベーション」の機構によって、あとからCPUの性能増強を2コア単位で細やかに行えることも強みだ。最小構成は、1ソケット機の場合で16コアのうち2コア。4ソケット機の場合は、最小2ソケット32コアのうち4コアが最小構成になっており、2コア単位で使用権を追加購入できる仕組みだ。またM10-4Sモデルでは、筐体を順次追加して必要な時にスケールアップできる機能も提供される。

 「システム稼働前なのに、大量のソフトライセンス費用、保守費用が発生するのは耐えられないと言うお客さまの悩みに応える製品です。また今後は、ビッグデータにどの程度のマシンを用意すればいいのか、という不安を抱えるお客様にも有効だと思います」(志賀氏)

 これにより、大規模システムであっても、最初に将来の拡張性まで考慮した、大規模なシステムを購入しなくて済むため、開発やテスト段階では小規模で購入し、稼働までの性能テストの結果を見て、本当に必要なコア数を確認しながらシステムを増強していくこともできる。CPUコア数で課金するソフトウェア製品が多い現在、開発段階でのソフトのライセンス費用を大幅に削減する効果が生み出されるだろう。

 システム稼働後にリソースを増やしたい時にも、CPUコアに余裕を作っておけば、追加ライセンスの購入だけでシステム稼働中にシステムを増強できる。将来的には、筐体の追加もシステムを止めずに実施できるようにする計画だ。

 またSPARC M10は、購入したコアを、利用するソフトウェアや業務に応じて、サーバ内で自由に配置を変更できる。例えば、計算が多い業務では、CPUあたりで多くのコアを使用し、データベースなどでは、CPUの数を多くしてCPUあたりに使用するコア数を減らし、コアあたりのキャッシュ容量を増やす設定ができる。こうした業務特性に応じた構成に配置すれば、ソフト費用を、さらに圧縮することも可能だろう。

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