レッドハットのCEOが語るイノベーション、OpenStack、Hadoop - (page 3)

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2013-05-29 07:30

--OpenStackについて。

 Red Hatは、米航空宇宙局(NASA)とRackspaceが始めたクラウドOSであるOpenStackを、強力に後押ししている。表面的には、Red Hatのこの分野への参入は遅すぎたように見える。Whitehurst氏は、OpenShiftとOpenStackの統合という役割があるのだと述べた。同氏はまた、Red Hatは18カ月前には、OpenStackについてあまり熱心ではなかったと付け加えた。「Rackspaceは、中立的な基盤を作った。 OpenStackはクラウドインフラを扱う最初の取り組みではなかったが、このプロジェクトには幅広い支援と参照すべき標準があった」とWhitehurst氏は言う。

 OpenStackが約束しているのは、インフラ層を切り取ることによって、企業がコストと使用するハードウェアをコントロールできるようになるということだ。最終的には、OpenStackによって、顧客が自動的にプロバイダを切り替えられるようになる可能性が高い(たとえばRackspaceとAWS、自社のインフラの間を切り替えるなど)。「今後数年で、アプリケーション層の違いは見えなくなるとされている」とWhitehurst氏は言う。

 Whitehurst氏は、OpenStackにおけるRed Hatの役割は、Linuxにおける同社の役割に似ていると考えている。Red Hatはサポートと安定性を提供するわけだ。「われわれはエンタープライズ向けのバージョンをサポートし、それに10年間は責任を持つ」とWhitehurst氏は述べたが、実際のタイムラインは違ってくるかもしれないとも付け加えた。実際には、OpenStackには新しい機能が追加されており、かなりのペースでリリースされている。ユーザー企業は、新しい機能をすべての古いバージョンに取り込んだりはしない。「そこにRed Hatの役割がある」とWhitehurst氏は言う。「われわれには、OpenStackを大規模にサポートすることができるだけの信頼とノウハウがある。この分野には勝ち目がある」とWhitehurst氏は述べた。「われわれの最大の魅力は、長期的な安定性だ。われわれはインターフェースを大きく変えたりしないし、バイナリ互換性も維持する」

--それによって、Red Hatがイノベーションに欠けたレガシーベンダーになりはしないか。

 Red Hatは今や、支配的な層の一部なのではないかと聞かれて、Whitehurst氏は軽く笑った。「Red Hatを買っても首になることはないし、われわれはいまだに順調に成長している」とWhitehurst氏は答えた。Red Hatは、ITのあり方を再定義しようとしているOpenStackのような取り組みを支援している以上、レガシーな組織だと考えるのは難しい。全体を合わせて考えると、Red Hatを定義するのは難しいことだ。オープンソースが最先端なのであれば、Red Hatはテクノロジーを日用品化する革命を後押しする、重要なプレイヤーだと言える。一方、Red Hatは最高情報責任者(CIO)が先の計画を立てることを可能にする、安定性を提供している。私の意見では、Red Hatは中間的な存在だ。そして、Whitehurst氏はその役割にかなり満足しているように見える。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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