津山中央病院、手書き情報入力システムで帳票業務時間を67%削減

山田竜司 (編集部)

2014-01-16 19:07

 岡山県の津山中央病院は、帳票の記入からデータ集計までの作業を効率化させるシステムを構築し、生産性を向上させている。製品を提供した富士ゼロックスが1月15日に発表した。

 津山中央病院は1999年12月より、ファイル管理型電子カルテを開発、導入している。診療記録や院内での他業務もすでにそのほとんどが電子化されているが、手書きの書類は増加傾向にあったという。

 リハビリテーション課では、患者の摂食、障害評価表、手関節障害の機能評価表などの定型帳票に手書きした書類を作成していた。これをスキャンして電子カルテに取り込み、医療情報として二次利用するためにデータ入力、集計するという業務が、医療従事者の負担になっていた。

 津山中央病院はデジタル手書き入力ペンシステム「Denshi-Pen」を導入。Denshi-Penを利用するには帳票にPC上でフィールド定義を加え、デジタルコードを埋め込んでプリンタから出力する。Denshi-Penに搭載された小型カメラが、埋め込まれたデジタルコードを撮影し、手書き情報を読み取ることができる。


システム構成図(富士通ゼロックス提供)

 さらにDenshi-Penで定型帳票に記入し、PCにUSB接続することにより、電子カルテに取り込むためのPDFや医療情報として二次利用するCSVを生成できるシステムを構築した。

 今回のシステムにより、定型帳票のスキャンや手書きされたデータのPC入力が不要となり、帳票の記入からデータ集計までにかかる時間を67%削減、職員の残業時間を半減できたという。また、付帯業務が解放されたことにより医療従事者のモラルが改善したと説明した。

 システム構築にあたり、患者名、IDなどの情報は電子カルテから取得し、あらかじめ定型帳票の所定の位置に差し込み印刷した。出力されるPDFはDenshi-Penから取得した、定型帳票に記入された時刻とセットで電子カルテに登録され、CSVは医療情報として二次利用するために使われるという。

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