ブランディングサービスを手がけるFit To TweetのCarlos Reina氏の場合は、共同創業者がさまざまな製品を検討した結果、DellのPrecisionワークステーションの利用を決意したことから、Reina氏はそれまで使い続けてきたFinal CutからAdobeのPremiere Proを学ぶことになった。
Mac環境からWindows環境に慣れるまで「それほど時間はかからなかった」とReina氏。Precisionを利用しており、モバイル性と性能の両方を実現している点を評価している。
AdobeのCreative Cloudについては「Photoshop、After Effectsなど単にビデオ編集にとどまらない機能を利用できる」と満足の様子だ。スイートのメリットについてはGarner氏も「毎日新しいことを学んでおり、発見や驚きがある。点と点がつながる感じだ」と同意した。使い方などの情報を共有するコミュニティもしっかりしているという。
ソフトウェアとハードウェアをマイグレーションすることで得られたメリットは、性能、コストなどさまざまだ。Dell Precisionワークステーションの性能を「比べものにならない」と表現したThe DayTripperのGarner氏。「できることの範囲が大きく広がった」と述べる。
「Apple環境では2日間かかったようなことが、すぐに成果が分かるようになり、生産性が上がった」と続けた。仕事上、撮影旅行が多いがパワフルなノート型ワークステーションが機動性に大きく貢献しているという。
レンダリングは3分の1に
Wolber氏のSparksightでは、新しい環境になってレンダリングの時間が約半分に短縮された。場合によっては3分の1、4分の1に短縮できることもあるとWolber氏は報告する。3分間の動画プロジェクトのエクスポートにこれまで10時間を要していたのが、タワー型のPrecisionでは45分で完了したという。
「レンダリングとエクスポートの時間節約は生産ペースを劇的に変える」とWolber氏。「パイプラインを倍増でき、収益も倍増した」と成果を語る。Final Cut Proと違って、ネイティブファイルで作業できるという利点も挙げる。
これらの利点に加え、The DayTripperのGarner氏はフリーランスクリエイターの間でもAdobeユーザーが多く「必要なときにフリーランスを簡単に見つけることができる」と述べる。
サブスクリプションに一本化したAdobe
イベントでは、そのAdobe Systemsで米国担当ビデオオーディオソリューションコンサルティングプロフェッショナルのDavid Helmly氏が、Creative Cloudをプレゼンした。
Adobe Systemsで米国担当ビデオオーディオソリューションコンサルティングプロフェッショナルのDavid Helmly氏
Adobeは2012年にクラウドサービスCreative Cloudを発表、2013年にはそれまでのオンプレミスソフトウェア「Creative Suite」を打ち切って、サブスクリプション形式で提供するCreative Cloudに一本化するという大胆な変更を行った。
クラウド型のCreative Cloudをプッシュする理由について、Helmly氏は「(随時インターネット経由で更新されるため)常に最新の機能を提供できる」とユーザーに利点を強調する。これまでは18カ月待たなければならなかったが、すぐに最新の技術を利用できる。
例えば、常時新しい機種が登場するデジタルカメラだが、Photoshopなどソフトウェア側での新しいフォルダ構造、コーデック、録画方法などの対応を進めており、ユーザーはこれをすぐに利用できる。タブレット、スマートフォンとコンテンツをコンシュームする端末が多様化しており、これらの対応も進めているという。