この冷却システムに加え、Facebookの担当者たちは、OCPによって効率が向上したサーバーの設計や低温ストレージ施設を披露してくれた。
サーバに関しては、「Winterfell」ウェブサーバ設計によって、オープンコンピュートシャーシの3つのベイに86台のサーバを収めている。ここでも虚飾を排したOCPのデザイン原則が応用されており、サーバ機能に必要のないものはすべて取り払われている。例えば担当者は、これまであったプラスチックのシャーシカバーがない点について説明してくれた。カバーがあると、ベゼルによって生じる抵抗によって、ファンによる吸気に28Wの電力が余分に消費されるという。
9万平方フィート(約8360平方メートル)の低温のストレージ施設が、Facebookにアップロードされた4000億枚を超える写真を保管しておくデジタル倉庫になっている。効率が高いのはアクセス頻度が低いものが保管されているためだという。ここにはあまり頻繁にアクセスされない写真が保管されているため、サーバーの温度も上がりにくく、通常の冷却能力は必要ないのだ。
これもオープンコンピュートの成果だが、Facebookの担当者によれば、同社のチームはSASの拡張スロットに挿入できるマイクロサーバを使用した低温ストレージサーバを開発し、これによって60台のドライブを増やせたという。
これらのイノベーションや効率性はすべて、煎じ詰めれば「コミュニティはイノベーションのペースを加速する」というFacebookのオープンコンピュートの主義から生まれたものだ。
McCammon氏はツアーの終わりに、ゴルフ用の電気カートでメインの建物に戻る際に「オープンコンピュートに貢献しているすべての企業の知識は、1社が持つ知識よりも大きい」と述べた。
「効率性や、OCの設計で節約している電力には価値がある。それは二酸化炭素排出量についても同じだ。われわれには社会や環境を保護する必要があり、オープンコンピュートはそれを助けてくれている」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。