「Linux」でscpコマンドを使ってファイル転送するには

Jack Wallen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2022-06-30 07:45

 「Linux」コンピューター間でファイルを転送したい場合、いくつかの選択肢がある。GUIツールを使う方法もあれば、使わない方法もある。よく使用されるファイル転送方法の中には、安全性の高いものもある。その1つがscpコマンドを使用する方法だ。

 scpはSecure Copyの略で、SSHツールの一部だ。SSHツールは、ほぼすべてのLinuxディストリビューションに標準で搭載されている。つまり、この手順を実行するために、追加のソフトウェアをインストールする必要はない。

 一見したところ、scpの使用は難しく思えるかもしれないが、実際にはそんなことはない。本記事では、その手順を解説する。これをマスターすれば、Linuxマシン間で簡単にファイルをやりとりできるようになる。

 これを行うのに必要なのは、2台のLinuxマシンだけだ。使用するディストリビューションは何でも構わないが、両方のマシンにユーザーアカウントが必要だ(同じユーザーアカウントである必要はないが、それぞれのアカウントのパスワードを知っていなければならない)。これについては、すぐ後で詳しく説明する。

ローカルマシンから別のマシンにファイルを送信する

 ローカルマシンにzdnet_testというファイルがあり、それをIPアドレス192.168.1.30にある別のマシンに送信したいとしよう。これを行うには、ローカルマシンにログインして、ターミナルウィンドウを開く。ローカルマシンとリモートマシンの両方で同じユーザー名を使用しているとしよう。その状況で、zdnet_testファイルをリモートマシンに送信するには、以下のコマンドを実行する。

scp /path/to/zdnet_test 192.168.1.30:/home/USER

 /path/toはzdnet_testファイルのフルパス、USERはリモートマシンのユーザー名だ。

 ユーザーのパスワードの入力を求められ、認証が成功すると、ファイルがコピーされる。

 リモートマシンに別のユーザーがいる場合、コマンドは以下のようになる。

scp /path/to/zdnet_test USER@192.168.1.30:/home/USER

 /path/toはzdnet_testファイルのフルパス、USERはリモートマシンのユーザー名だ。

 この場合も、ファイルをコピーする前にユーザーパスワードの入力を求められる。

 そのファイルを別のディレクトリー(ユーザーのホームディレクトリー以外)に送信することもできる。これに関しては、1つ注意点がある。それは、対象のディレクトリーへの書き込み許可が必要になることだ。例えば、そのファイルをリモートマシン上の/dataというディレクトリーにコピーしたいとしよう。リモートユーザーがそのディレクトリーにアクセスできる場合、コマンドは以下のようになる。

scp /path/to/zdnet_test USER@192.168.1.30:/data

 /path/toはzdnet_testファイルのフルパス、USERはリモートマシンのユーザー名だ。

 この場合も、ファイルをコピーする前にユーザーパスワードの入力を求められる。

リモートコンピューターからファイルを取得する

 zdnet_testファイルがリモートコンピューター上にあり、それをローカルマシンにコピーしたいとしよう。これを行うには、以下のコマンドを実行する。

scp 192.168.1.30:/path/to/zdnet_test /home/USER/zdnet_test

 /path/toはzdnet_testファイルのフルパス、USERはリモートマシンのユーザー名だ。

 今回も、ファイルをコピーする前にユーザーパスワードの入力を求められる。

 ファイルを送信する場合と同様、リモートユーザーを定義して、ファイルの保存場所のパスを変更することも可能だ。

 Linuxでscpコマンドを使用する手順の解説は、以上である。この便利な機能を活用して、Linuxマシン間で安全にファイルをやりとりしてほしい。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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