Salesforce.comは米国時間3月9日、同社のカスタマーサービスアプリケーション「Service Cloud」に、同社が「インテリジェンスエンジン」と呼ぶレイヤを追加する「Service Cloud Intelligence Engine」をリリースした。データサイエンスとカスタマーサービス、そして数多くのコネクテッドデバイスとの融合が目的だ。
インターネットに接続されるデバイスが増えるほど、データサイエンスとスマートカスタマーサービスが重要になるというのがSalesforce.comの主張だ。モノのインターネット(IoT)が加速度的に普及するなか、迅速なカスタマーサービスへの期待が高まっていく。
Service Cloud Intelligence Engineには以下の機能が含まれている。
- 「Intelligent Business Process」によるワークフローの自動化機能。インテリジェンスエンジンによって、担当者のスキルや実績、作業負荷、連絡窓口に基づいて、適切な担当者に作業が割り振られる。
- 「Intelligent Workload Management」という作業負荷管理機能。これにより、サポート担当者に対する作業の一時的な急増が抑止される。例を挙げると、Service Cloudはビデオチャット中の担当者に対する作業指示を一時停止するようになる。
- 「Seamless Omni-Channel Customer View」による、あらゆる顧客窓口を横断するシームレスな情報の取得。これにより顧客は、あるサポート窓口で伝えた情報を別のサポート窓口で繰り返す必要がなくなる。
Salesforceがやろうとしているのは、より多くのチャネルとデバイスがカスタマーサポートやカスターマーエクスペリエンスで使われる状況に備えることだ。Service Cloud製品マーケティング担当バイスプレジデントのSarah Patterson氏は、「こうしたデバイスをカスタマーサポートの場と見なしている」と述べている。こうしたサポート案件のいくつかは、自動車などネット接続された場所からの自動化された案件として始まり、その後、電子メール、ライブチャット、音声通信など別の手段に切り替わる可能性もある。
このエンジンは、Salesforceのアルゴリズムをベースとしており、企業はカスタムルールを利用できる。Salesforceは、パイロットプログラムに「数多くの顧客」が参加しているとした。
Service Cloud Intelligence Engineは2015年中に一般提供される予定で、価格はその際に発表される。Service Cloudのアドオンとして提供される予定であり、Service Cloudの月額利用料は1ユーザー当たり135ドルから。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。